体操女子、速水元コーチの処分について

速水コーチが無期限資格停止等の処分を受け、「師」を失った宮川選手の世界選手権辞退が取りざたされている。

問題点を整理したい。
①速水コーチを処分した場合、宮川選手が落ち込み、世界選手権の自体に追い込まれるくらいのことになる、ということを協会は予見できたか
②なぜ、5~6年前のことが、なぜ今さら露見したのか

何らかの暴行的な行為があったのは争いがない事実と思われる(暴行の「内容」については争いあり)。そして、選手本人が「いやわたしは頭たたかれてもパワハラとは思わないんで」は実は通用しないと思う。その選手は将来、指導者になることがあり得るので、連鎖の阻止は必要なのである。

あて、①については、いくらなんでも予見できたであろう。大会直前にコーチを変える、というのは無茶な話なのだから。
協会は「宮川選手を外しても、なおクリーンな体操協会であることを目指す」という方針にたった、と考えられる。これ自体は、悪いこととはいえないのではないか。

②が問題。
なぜこのタイミングなのか。さあ東京五輪へ、という大事なときである。
穿った見方をすれば「一番ダメージの大きいタイミングで宮川選手の欠場を余儀なくさせる」行為にも見える。
なぜ今。
是非、「目撃者」におかれてはなぜ本件を5年前に告発しなかったのか、どこかで話していただきたいものだ。
5年前に発覚、コーチが交代していたとしたら、その時期であれば新たなコーチといざ東京五輪、で2018年まで順調に成長してきていたかもしれない。
あるいはせめて、せめて2年前だ。

日本のスポーツ界では告発ブームがここ最近なので、なんとなくその流れに乗っている感があり、本件も自然に見えるかもしれない。
しかし少なくとも体操の世界においては、2年前からアメリカの女子体操チームのチームドクターやコーチによる性的虐待の告発があり、2017年3月には体操連盟会長の首までとんでいた。体操界は他のスポーツに比べても浄化について神経質に取り組んでいたと思われるのだ。


改めて問題点を提示しておこう。


この4~5年、宮川選手の被暴力を黙っていた目撃者がいた、というのは相当な問題であるということを。

ちなみに刑法的な観点でいえば、暴行罪の時効は3年。5~6年前の行為については、速水元コーチは責を負わないことが明らかだ。


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