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株式会社homula|小売店とブランド がもっとチャレンジできる世界へ

ー「なんて魅力的な起業家だ」と出会ってからずっとワクワクしているー

HIRAC FUND 公式note (2)

株式会社homula 代表 福地峻さん(左)に、そう語るのはHIRAC FUND 甚野広行さん(右)。

前職が偶然にも同じ外資系投資銀行だったという2人は、共通の話題も多く打ち解けた雰囲気。甚野さんは何度もhomulaオフィスに訪問したことがあるということで、インタビュー後はhomulaのメンバーにも声をかけられていました。

株式会社homula
小売店やブランド向けに、卸売・仕入れが行えるオンラインマーケットプレイス『homula』を開発・提供。
通常、小売店が新規ブランドの仕入れを行う際「バイヤーがブランドを探す」「担当者を割り出す」「条件交渉」「在庫確認」「契約書の締結」といった煩雑なプロセスが発生し、1か月以上の期間を要します。また「初回取引は前払い」という慣習が残っているため、一時的に資金繰りが悪化するといった課題があります。
『homula』は、あらゆるブランドの仕入れ取引において後払い・初回購入時の返品に対応することで、資金繰り/在庫リスクを気にすることなく、またオンラインで新規ブランドの仕入れを可能にします。

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きっかけは「Fintech×ファンド」。出会いから感じた経営層・チームの強さ

ー 福地さんとHIRAC FUNDの出会いについて教えてください。

福地:『homula』というサービスには、小売店とブランドの間に入り、商品代の前払いを代行する(小売店は実際に販売できた分だけをhomulaに後払いすればOK)という、Fintech的な側面があります。

そこで、Fintechに知見があって資金だけでなくビジネスアドバイスもいただけるファンドを探していた際に、ニッセイキャピタルの伊東さん からHIRAC FUNDの古橋さんを紹介していただきました。

マネーフォワードというFintechの先駆的企業のグループファンド、かつパートナーの方々が経営者として経験豊富ということで、是非にと思ってお会いしたのですが、古橋さんがほぼその場で出資を決めてくださって、その決断力に驚いてしまいました(笑)

甚野:私は2回目の面談から入らせていただいて、そこからhomulaを担当しています。

古橋さんは普段から決断のスピードが早いですが、福地さんとの面談された時は「素晴らしい経営者に出会えた!」と特に前のめりに話されていたので、私もお会いする前からすごくワクワクしていました。実際にお会いしてからも、福地さんや取締役CTOの側原さん、homulaというチームの強さにどんどん惹かれていって、今こうやってhomulaをサポートできていることがすごくうれしいです。

HIRAC FUND 公式note (3)

慣習的な「仕入れ」の課題を解決。小売店とブランドがもっとチャレンジできる世界に

ー 古橋さんも甚野さんも、福地さんの話をする時は熱が入りますよね。そんな福地さんが起業されたきっかけは何だったんでしょうか。

福地:「難しくて苦しい課題に挑戦し続けたい、その中で自分を成長させ、社会に大きなインパクトを与えたい」というシンプルな思いが始まりです。

前職のバークレイズ証券で一通りの業務を身につけ、ちょうど30歳を迎えるタイミングで次の10年をどう生きようかと考えた時に、起業に踏み切りました。

最初から百発百中 で上手くいはずはないとわかっていたの、まずはトライ&エラーで1年間くらいは色んなビジネスを試したり、世界中のビジネス事例を調べまくったりしていました。

ー その中で、現在の『homula』の事業を選んだ理由は?

福地:前職のホールセールス業務の中で、商品仕入れの際のファイナンスのサポートや在庫リスクを引き受けるビジネスに携わった経験がありました。この仕組みは、小売業界にもニーズがあるのではと思い至ったんです。

そんな構想中に、新型コロナウイルスの感染拡大から小売業界の展示会の中止が相次ぎ、ブランドが展示会で商品を出品し、そこで小売店(バイヤー)が商品を選定・仕入れをするという、伝統的な商品仕入れ手法が立ち行かなくなってしまいました。ブランドにとっては小売店への営業機会が減ってしまい(もちろん全国の小売店に直接営業に回ることも難しいです)、小売店も新しい商品に出会うことができない。

こういった状況下でも『homula』であれば、オンラインマーケットプレイスとして小売店とブランドを繋ぐ役割を担うことができます。

HIRAC FUND 公式note (4)

福地:さらに、コロナ禍前と比較して、消費者の行動やニーズも大きく変化しました。例えば、アパレル店舗であれば外出自粛などで服が売れなくなる中、逆に巣ごもり需要にどう対応するのか等、過去に出会ったことのない状況で初めての判断をしなければいけません。新しい商品を入荷して消費者のニーズにハマるのか、トライアンドエラーを繰り返すことが理想ですが、独立系の小売店の場合、前払いで商品を入荷し在庫を抱える従来の仕入れ慣習では、リスクが高くて中々そのようなチャレンジができません。

一方『homula』を通して仕入れれば、後払い・返品が可能なので、色んな商品を試して、消費者が本当に求める商品を発見することができます。

プラットフォームとFintech、この2つの側面から『homula』は小売店とブランド両方のチャレンジ、そして成長をサポートできる仕組みだと考えています。

社名でありサービス名でもある『homula』は炎(ほむら)が由来。
「反脆弱性」(ナシーム・ニコラス・タレブ)の中に出てくる「ロウソクの火は風が吹けばすぐに消えてしまうけれど、炎の火は風が吹くと強く燃え上がる」という例え話にインスピレーションを受け「事業(炎)のチャレンジや成長にはリスク(風)がつきもの、 しかし全体(小売商流)を束ねて負荷を分散することで、リスクに強くなり事業をのばすことができる。それを叶える存在でありたい」という想いが込められている。

甚野:ECサイトの普及や、Faire(2017年サンフランシスコで創業。小売店向け仕入れマーケットプレイスサービスを提供)などの海外先行事例も後押しになっていますよね。

まさにこれから求められ、伸びていく事業だと思います。

HIRAC FUND 公式note (5)

ー実際にサービスを利用されているユーザーからの評価はいかがですか?

福地:ブランドの皆さんからは、これまで営業提案してこられなかった全国の小売店にアプローチできるようになったと喜んでいただいています。

小売店の方々からは、オフラインの展示会だけでは出会えなかった商品に出会えたり、その商品を前払いキャッシュや返品リスクの不安なく試すことができることを、やはり評価いただいています。

サービスの設計においては、考えるまでもなく有益で必要な「No Brainer」であることが大事。特にブランドの方にとっては、商品情報さえ提供すればブランドページを作って公開することができるので、登録しておいて損はないサービスになっているのが、ユーザーが順調に増えている理由だと思います。

HIRAC FUND 公式note (6)

期待するのはリアルな経営アドバイス。採用などオペレーション部分もサポート

ーHIRAC FUNDのサポート体制はいかがですか?

福地:期待しているのは、経営において実際にプレイヤーだったからこそわかる、実体験に基づいたアドバイスです。

机上の空論的な情報や、海外事例をもとにしたあるべき論のようなものは自分でも調べられます。でも、日本で実際に起業して会社を経営して、このフェーズでどんな人を採用する?広報はどうする?細かなオペレーションはどうする?とった、現場のリアルな情報はググっても出てきません。そういうお話を聞くことができるのは貴重ですし、ありがたいですね。

甚野:私が今お手伝いさせていただいているのは、ファイナンス面のサポートの他、採用だったり公式サイトの英訳だったり、手を動かす部分も多いです。

例えば、ヘッドハンター経由の採用では、私が全て一次対応をしています。福地さんが「すぐにでも採用したい!」と思える人をお繋ぎできるように、副業マッチングなども含めた他の採用手法もどんどん試していきたいですね。

福地:私たちもまだ全く手が足りていないので、こういったオペレーション部分まで手伝ってもらえるのは本当に助かっています。

採用は本当にマッチした人で出会おうと思うと、ある程度数を見ないといけないのですし、経営者目線を持って人を見抜く能力なども必要なので、1次面接を甚野さんにお任せできるのは心強いです。

甚野:ありがとうございます。採用に限らず、これからもhomulaのため に何ができるか考えて、力になれればと思います。引き続きどうぞよろしくお願いします!

HIRAC FUND 公式note (7)

インタビュー・文・写真/苞山 美香

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