Designship2019(2日目)の振り返り
2日目の振り返りです。
原研哉さんの講演を聞くために参加したと言っても過言ではなかったのですが、他の方の話も負けず劣らず素敵で勉強になるものでした。
なお、1日目の振り返りについては下記をご覧ください。
・「日本について」原研哉さん
日本と海外を比較しながら日本の特徴を導き、それをデザインの中にどう活用しているのかという話でした。emptinessという概念から空っぽな空間の可能性。日本と西洋の歴史から、シンプルやミニマリズムはまったく別の考え方から導かれたこと。その考えから、無印のデザインや、最近始めたメディアの「低空飛行」をどう創り出したのか。
空気感を含めてトータルで圧巻の講演でした。動画ではなく、できれば直接講演を観に行ってほしいところです。
・「自分の弱みを武器にしたソーシャルイノベーション」福岡由夏さん
自身が吃音症を持っていて、コンプレックスを感じたり色々とご苦労されていたそうで、吃音症を理解されたり、社会的な問題を排除できるように活動されているそうです。
具体的には、吃音症を体験できるデバイスや、高額なセラピーに頼らずとも改善できるためのVRとAIを組み合わせたデバイスを開発しているとのこと。
恥ずかしながら、僕は吃音症そのものや、就職がしづらいなどの問題についても良く知りませんでした。そういう世界があることや、弱みだと思っていることを解消するための活動について具体的に知れたことは良い経験でした。
原研哉さんの直後のセッションというハードルが高そうな枠でしたが、負けずとも劣らずな内容でした。
・「孤独を感じるすべてのデザイナーへ。より強いデザイナーになるための仲間の作り方」ハルカナさん
独りよがりがちに活動していたハルカナさんが、仲間を作ることを世界を広げ、よりやりたいこと、たくさんのことを行えるようになったとのことで、彼女が行ってきた仲間の作り方について話をしてくれました。
仲間ができると、励まし合う、相談できる、ムーブメントを起こすことなどの良いことがある。自分だけでなく業界から盛り上げることで好きなことややりたいことができる。僕も内向的な人間で、独りよがりなところがあるので、ハルカナさんの話は設定から共感でした。仲間の作り方、活動を通じて生まれた価値など
ご本人が詳細に記載してくれているので、是非読んでみてください。
・「納得して暮らしたい。文脈を変えるものづくり」TENT 青木亮作さん
クリエイティブユニットTENTができるまでと、これまで産み出してきたものなどのお話。デザインする時に気をつけていることは文脈を変えることと暮らしに着地させることだそうです。(ざっくりですいません、詳しくは下記のご本人のnoteに記載されているので読んでください。)
使い勝手も見た目も良さそうなプロダクトをいくつかしょうかいいただき、気になっています。これとか。https://idontknow.tokyo
何より青木さんがモノを作ることを心底楽しんでいるんだろうなということが伝わってきて、愛を感じるセッションでした。
・「良いデザインってなんだろう? 変わるもの、変わらないもの」筒井美希さん
「なるほどデザイン」の筒井さん。デザイナーとしての感じた壁や、マネージャーとして感じた壁。それらを乗り越えるためにどうしてきたのかについてのお話しでした。
どこまでも作業領域を広げてしまうことで自分の首を絞めてしまうこと、組織をマネジメントする大変さなど個人的には超が付くほど共感で、引越しで物理的に距離を保つことで自分の時間を作ることや、一つ高いレイヤーから繋げていくような考え方は参考になりました。組織のデザインの話や、全体を繋げて見ることで断裂部分に気づくことなどもとても参考になり、詳細の書かれているご本人のnoteは100回くらい読み返したいです。
・「Vitals:デザインの生命線」レイ・イナモトさん
デザインにとって必要ではないことと、常に必要不可欠な7つのこと。
シンプルにすること、「できない」で終わらせないこと、良くも悪くも繰り返しは習慣となるので妥協せずに良くするためにどうするか考えることを習慣にすること、人を侮辱せずに伝えるべきことは伝えること、正しいと思ったらリスクを取っても信念を貫くこと、目には見えないことを探してどこかで活かすこと、最後は愛が大事なこと、などの話でした。
「見えないことを探す」が分かりにくいので印象的だった例を紹介します。ディズニーランドでは、入ってから真っ直ぐのお城が見える道で、両脇の建物は入り口から見て遠くにあるものほど高さが実は若干低くなっていくそうです。これにより遠近法でお城までの距離が遠く見えるそうで、「早く行かなきゃ」というようなワクワクを産み出させているとのこと。これは逆に、帰りには距離が短く見える効果に繋がるので、疲労を感じにくいそうです。更には、バニラの香りがする蒸気を夜になると出しているそうで、甘い香りでも疲れを癒しているらしいです。(この前ディズニーに行ってみたら実際に建物の高さが違いました!w)
最後に、レイさんがもっと早く知りたかったという言葉を紹介して2日目のレポートを終わりとします。
It’s not how good you are.
It’s how good you want to be.
『問題は君が「どれだけ凄いか」ではなく、「どれだけ凄くなりたいか」だ。』
by Paul Arden
ありがとうございました。
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