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【活動報告】フェムテック振興議員連盟 第17回総会に出席しました(2023/11/09)

こんにちは。メディカル・フェムテック・コンソーシアム(MFC)事務局です。

今回は2023年11月9日(木)に行われた「フェムテック振興議員連盟(以下議連)」の第17回総会が開催され、MFCも参加しましたので、ご報告させていただきます。

今回は、「更年期の諸問題を解決し、社会・経済のリーダーとなる世代がより活躍できる社会に」についての議論の第3回目となります。

冒頭に、議連会長である野田聖子議員から、ご挨拶と現在の課題について、次のような意見が述べられました。

◎昨今、フェムテックは迷走しているように思うが、長年女性の体に対してリスペクトしてこなかったツケだと思う。ここでもう一度しっかり考えて対策してリカバリーしていく。

◎性教育についても、ネットに頼るのではなく、子どもたちにきちんと教育として教えていくべきである。フェムテックも同様である。あたりまえのことを皆さんと一緒に形にしていきたい。

議連会長 野田聖子議員からのご挨拶の様子

今回は、「メノポーズ市場と世界動向」というテーマで、
更年期に関する国内外のフェムテック製品・サービスの現状等について、fermata株式会社 CEO 杉本亜美奈さんにご講演いただきました。
講演概要は下記のとおりです。

1. メノポーズの市場規模
2. メノポーズとフェムテック(メノテック)
3. メノポーズ市場の課題
4.メノポーズ市場の可能性

※メノポーズ(menopause):閉経、更年期を意味する
メノテック:メノポーズの問題を解決する技術のこと

メノポーズに関するフェムテックの急成長について、国内外の動向をお話しいただきました。

  • メノポーズ関連のスタートアップは、2019年に世界で9社ほどだったが、2023年現在は130社ほど増加した。

  • メノポーズに関するフェムテックは、2025年にグローバルで90兆円の市場規模になる。

  • メノポーズ関連の研究については、NIH(アメリカ国立衛生研究所)が公衆衛生学的な研究に予算をつけるようになった。2022年は、年間予算1億ドル。

  • オンライン診療について、日本ではピルの処方が中心だが、アメリカではメノポーズにも目が向いている。オンライン診療で、トレーニングを受けた医師の診察を安価で受けられる。

講演を熱心に聴講される議員の皆さん

また、具体的なメノテックについて、紹介していただきました。

  1. 最初にオンラインメディア関連から始まり、多くの人が正確な情報を求め、自分の症状を理解したいと考えている中、正確な情報提供を目指すサービスが生まれた。

  2. 次の段階では、メノポーズに特化した専門家との相談や意思決定のサポートが展開された。これにより、メノポーズに関する不安や疑問を抱える人々が適切なサポートを受けるサービスが展開され、オンライン診療へとつながった。

  3. 最近では、多くのデバイスも登場し、ほてりを抑えるデバイス、尿失禁対策のデバイス、そして萎縮性膣炎に対処するためのデバイスなどがある。

さらに、メノテック市場の課題として、メノポーズはタブー視されてきた領域で認知が進んでいないこと、診断までにコストも時間もかかること、メノポーズの領域での研究も不足していること、等が挙げられました。

リストバンド型ウェアラブルデバイスについて説明するfermata CEO 杉本亜美奈さん

最後に、下記の提言が発表されました。

◎慢性疾患の予防、認知症、骨粗鬆症の予防につながることで、労働損失の減少させることができるが、圧倒的に研究が足りない。この領域に特別な研究枠を設けてほしい。

◎この領域が市場化していくために、メノポーズへの投資、人材、労務周りの制度をアップデートして、市場のニーズづくりをしてほしい。

講演後、下記の点について活発な意見交換が行われました。

  • 女性活躍の観点からもフェムテックは重要であるが、調査研究が進んでいない。

  • 年齢、性別に関わらず現れる更年期の症状について、うまく表現できる言葉があると良い。

  • 薬機法の承認をとるにはコストがかかる。デリケートゾーン製品で、今実際に市場に出ているものとしては、膣洗浄器と炎症を抑える医薬部外品が一つある程度。このような規制体系をどう改善していくか。

  • 日本では、女性で技術、経験や資格を持っている研究者や起業家がまだまだ少ない。

フェムテック議連事務局長 宮路拓馬議員 今回の議論をまとめる発言の様子

最後に、議連事務局長の宮路議員から、次のようにまとめのお話がありました。

◎女性の健康に関する研究をやってほしいというメッセージを我々が打ち出せるかが大事である。

◎男性中心に構築されてきた研究のあり方、規制のあり方を女性の視点をもって再構築することで、新たなプロダクトやサービスが生まれる可能性がある。海外の動向からも学びたい。

◎今後、更年期に関する議論を整理し、政府に対する第三次提言をまとめていきたい。

今回も、議員の方々をはじめ、事業者側からも発言があり、熱のこもった総会となりました。更年期の問題に対する皆さんの関心の高さが伺え、MFCとしても、この分野への取り組みの重要性を実感しました。

次回の議連総会では、更年期ほか女性の健康課題に関する関係省庁の取り組みの現状を聞く予定です。

最後までお読みいただきありがとうございました!


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