見出し画像

JFL2021シーズン第2節 いわきFC vsホンダロックSC 〜アウェイで勝つことの意味〜


約28.5%
この数字は昨シーズンのアウェイ戦での勝率である。
全国への遠征は初めてのことだったのか昨シーズンのアウェイ戦7戦の内わずか2勝しかあげられなかった雪辱を晴らすべく、宮崎の地に乗り込んだ。

1スターティングメンバー


※下記の画像 https://iwakifc.com/matches/top_team/2021/0321_016968.php からの引用

画像1

画像2

前節からGKの坂田が復帰しその他の10人は前節と顔ぶれが一緒になった。

2 修正された守備時の配置と先制点

今日も強風が吹き荒れる生目の杜運動公園陸上競技場。強風を考慮してか、90分を通じてロングボールが行き交う展開の早い試合となった。序盤押し込まれていたいわきFCは、4ー4ー1ー1のような形でトップ下である山下のポジションがアンカーである宮本と同ラインである場面が自陣では多く、山下が降りたスペースは2トップの片方が落ち、縦関係になっていた。

そんな序盤である前半6分にスコアが動いた。
GK坂田のクリアボールを経て、マイボールにした金大生が右サイドの縦をえぐり、クロスを上げたが相手にクリアされる。そのクリアボールのセカンドを回収した嵯峨がクロスを上げ、そのボールに鈴木が合わせ先制する。

画像3

本来鈴木の持ち味は「活かす側」より「活かされる側」の選手であり前回の三重戦ではボールに寄りすぎたり、降りて起点になろうとするシーンが多く1本のシュートしか打てなかったが、今日はゴールの近くや相手の最終ラインの近くでプレーする時間が多く、自身の持ち味を発揮できていたように見えた。
 また、嵯峨がクロスを上げるまでに相手の守備者を5人引き寄せれたため、大外が2VS2の同数になり、クロスに合わせやすくなったことも先制点の要因として挙げられる。

3 背負った味方へのサポート

画像4

得点後はなかなかシュートまでいけない展開が続いた。その原因としてDFラインと前線のFWまでの距離が長すぎることで効果的なロングパスが少なく自分達自身で分断されていたシーンが何回か起こっていた。
今節は守備時に中盤の宮本、山下の2名が必要以上に下がってしまったため、上記の画像のようにロングパスを蹴っても前線のFWに対してのサポートがサイド側の人間しかいなかった。
 中盤の選手がFWの落としを受けようと必要なポジションに入ることで、


・DFラインの背後にスルーパスやラストパスを出せる。
・サイドチェンジややり直しができる。

など幅を使わずに直線的にシュートまでボールと人を運ぶことが可能となる。前半途中に金大生が少し幅を取ろうというアクションは見られたが、もう少しSBの嵯峨に近づいたりなどの縦関係連携が欲しかったところ。
ホンダロックもセットプレーを中心にチャンスを創ったり、ボールを保持しながらいわき陣内に前進しようとするが、明確な決定機をお互いに作れずに前半は終了する。


4 電光石火の2点目と修正された後半

 流石開始1分でゴールを奪う男こと古川大悟!!
GKの処理ミスもあったが、古川をどう活かすのかがチーム内で共有できている結果の追加点だと考えられ、後半1分にスコアを2−0とする
その後の50分のチャンスシーンも攻撃時に中盤の2枚がはっきりと縦関係になっていたからこそ、マークの付きにくい「2列目からの裏抜け」が成功しチャンスシーンに繋がった。

一方でホンダロックはサイドバックに幅を持たせて高い位置をとりいわきを揺さぶりながらボールを運ぼうとする。

画像5

それに伴い、サイドを変えられる回数が増えたが、その時の対応は後半になって修正された部分と考えられる。
前節の三重戦ではサイドチェンジされてもがむしゃらに突っ込むシーンも多かったが、この試合の後半はサイドを変えられても無理にボールを奪おうとせずに攻撃を遅らせながら斜め後ろに全体がスライドしていた。無理に突っ込むことで、

・スライドが間に合わず、カバーリングをする人がいなくなる。
・中盤(宮本の周りのスペース)とDFラインの間が空き、簡単にシュートまで
 運ばれてしまう。


などのデメリットが発生してしまう(特にいわきのフォーメーション的に)ので、いわきの守備時の原則である、「ボールを奪うためにコンパクトな陣形を作る」ことから逆算した守備ができていたように映った。

69分に金大生に代わりバスケス・バイロンを投入することで、ボールを保持しながら相手を押し込むこと=相手の守備の時間を長くし自陣ゴールから遠ざけることが可能となった。
その後決定機を1つほどに抑え、危なげなく2ー0で試合終了、勝ち点3をゲットした。

慣れないアウェイの地で失点のリスクを排除しながら前節の課題の修正も見られ昨シーズンよりもより硬いチームになりつつある。
Hondaやソニー仙台、V大分との優勝候補との連戦の前にいかに勝ち点を積み上げられるか、まだ2試合が終わったばかり、スタートダッシュがどこまで続くか見ものである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?