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神田昌典氏の本を読む

先日、松下幸之助の本を買った話を書いた。
他に一緒に本を購入したのだが、ほとんど神田昌典氏の本だ。


あなたの会社が90日で儲かる、の続編(青本とでも言おうか)をついに購入した。DRMについての本であるが、これをうまく活用していきたいと考えているので、10-12月の3ヶ月でどの程度効果が出るか、可能な限り開示できる範囲内でやってみたいと思っている。


さてこのときに一緒に購入した別な神田氏の著書『少予算で優良顧客をつかむ方法』に、次のエピソードが載っていた。以下、引用する。

ネクタイの販売で、飛び抜けて成績のいい店がある。
社長は、「その秘密はなにか」と店員に聞いてみた。すると「お似合いです」という代わりに、「とても上品ですね」と対応すると、売れるという。
(中略)
ただ、ここで分かっていただきたい重要な点は、
「広告に反応するかしないか、購買するかしないかは、微妙な言葉遣いで大きく変わる」ということである。

神田昌典『新版 少予算で優良顧客をつかむ方法 マーケティング常識11の嘘』, ダイヤモンド社, 2011(第1版), p.52-53


しかしこの記述を見て、どこかで見たと思い記憶を辿った。
そうだ、藤田田だ!と気づいたのは良いのだが、どの本に書いてあったのかを忘れてしまった。分かり次第、記載したいと思うのであるが、内容は以下の通りである。

売れ残ったネクタイを販売する必要があった。
販売員が通常通り声掛けをしても売れない。しかしネクタイの購入に悩んでいる人に2つ以上の選択肢を示した上で「(売りたいネクタイを示して)こちらの方が"上品ですね"」と伝えると、よく売れる。

藤田田の著書、いずれかより。意訳。

(2023/09/28 14:13 追記)
以下の本にて、記載があったのでこちらを正しく引用する。
なお、上記の内容と相違があるが、藤田田の他の著作と混じっている可能性がある。引き続き調べるとともに分かり次第、そちらも追記したい。

客がネクタイ売り場に現れて、商品に触って眺めている。この段階では、客のそばには行かない。5,6分たって、客がたくさんのネクタイの中から、3本か4本、選び出す。しかしどれにするかはきめかねている。
そのときになって、はじめて、客のそばに行く。
こちらとすれば、客が買いたいと思っているネクタイではなく、売りたいネクタイがある。その売りたいネクタイを「この3本の中ではこれが一番上品です」というのだ。このひとことで、客は落ちる。
(中略)
商売にも客を落とす殺し文句がある。それを他人よりも早く発見したものが、儲かるのだ。

藤田田『毎年生まれる100万人にフォローされる商売を考えよ 金持ちだけが持つ超発想(Den Fujitaの商法2の新装版)』, 株式会社ベストセラーズ, 2019(第1版), p.59-62

(追記ここまで)



さて、ここで言いたいのは、神田氏が丸パクリ!ということではない。むしろ、そのような発想に至ったのであれば、貧困な発想と言わざるを得ない。
つまりこれは藤田田の言う、ユダヤ4,000年の公理が示されたのだ。つまり、あの日本マクドナルドを作った藤田田とこの神田昌典氏は、同じ理解に至ったと考えたわけである。

この2人の経歴に共通することは、独立独歩で自分のビジネスを切り開いてきたという点以外に、私はないように感じる。それはこの2人に対しての理解が浅いからということかもしれないが、いずれにせよこのように双方の結論が似たところに行き着いたということが素晴らしいことである。


なお、松下幸之助も先の記事に書いた通り、言葉の大切さについて論じている。
神田氏も微妙な言葉遣いで大きく変わると書いているが、私も人材採用を行ったときにそれを感じた。特定の文言を入れると、反応率が圧倒的に変わるのだ。さらに反応率が上がるように今もテストをしているのだが。

また別件ではあるが、あまりに言葉遣いが悪いサービスに苦言を呈したのも最近である。むしろ、この言葉遣いで確実に客数を落としていることは間違いない。と他人のビジネスには敏感に伝えるのもいかがなものかとは自分でも思うのだが、性格上の問題と思っている。なお今のところ、本件に関して反応はない。続報もあまりにひどければどこかで書こうと思う。


いずれにせよ、言葉遣いで反応率が変わるという点について、自分のビジネスの集客面でならどれほど良いのだろうかと想像する。その領域に少しでも近づけるよう、鋭意努力していきたい。

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