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目指す会 2312 AJパーマネント千葉200 ②40/206

手足指先のジンジンとする痛みをこらえて最初のチェックポイントを目指す。願い事は1つだけ、小松菜奈みたいに傷つけあった愛が始まらないようにとか難しいことは決して言わない。お天道様、早く顔を出してください。

スタートして30分くらい、東の空にうっすらとオレンジ色が見えてきた。この時期の日の出は6時半から7時の間。もう少しの辛抱だ。
寒すぎてGLAYのウィンターアゲインのイントロ部分が永遠と脳内リピートされる。「会いたいからー恋ーしくてー」までたどり着けず、「無口な一息は白く」で思考が止まる。

しかし段々と明るくなるにつれほんのわずか、爪の垢程度だけど頑張ろうという気持ちが芽生えてくる。親父が持っていた漫画「湘南爆走族」で夜明けの道路は紫色(パープルハイウェイオブエンジェルス)と表現されていたが、どちらかというとオレンジ色だ。

スタートから1時間6分、午前7時6分。最初のチェックポイント「富津岬」に到着。

男心をくすぐる謎の建造物があったが寒すぎてスルーした

自転車から降り日光をこれでもかと浴びる。幸いこの日は風が弱く、止まっている分には生きられる気がする。が、下記写真の通り右を向けば東京湾、ここも決して温かいわけでは無い。

本ルート2度目のS水氏も今日の寒さにはかなり参っているようで、いつもより言葉数が少ない

次のチェックポイントまでは約20キロで1時間くらい、場所はコンビニだというじゃないか。満身創痍の勇者一行が欲する宿屋の如く100円のドリップコーヒーを目指しリスタート。
まだまだ気温は上がらないが、辺りが明るくなった分だけパッション屋良だ。

最もきつい先頭をS水氏が走りしんがりはE原氏。筆者は楽ちんな真ん中。筆者はこの日断固たる決意でイベントに臨んでいた、決して先頭は走らないと。そうでもしないと200キロ走りきれる気がしなかった。

無言のまま走る。途中、ルート確認のため止まってスマホをチェックした。その際S水氏がボーちゃんみたいに鼻水をどろっと出した。しっかりと鼻水を垂れ下げる再現度。つまりはそういう寒さだってこと、この日に限って暖冬はどこかにバイバイ。でもそんなS水氏をいじる元気が出てきたってことなのかもしれない。

辺りは完全に明るくなり朝が訪れた。己を鼓舞するため、2人に気付かれないくらいの大きさで鼻歌を歌うことにした。曲はもちろん広瀬香美。ロマンスの神様から幸せをつかみたい、ゲレンデがとけるほど恋したいと続く。
歌ってて思った、今日はチャリじゃなくてスノボ向けの天気だ、絶対に。モコモコのウェアとゴツいグローブで体を守り、颯爽と滑り、ちょろっとグラトリをカマしちゃう。考えただけで最高だ。昨シーズン、久しぶりにスノボに行ったが今シーズンも絶対に行こう。というか板買っちゃったし。

8:12、スタートから2時間12分。
第2チェックポイントのファミリーマート富津関尻店に到着。一目散に外気から守ってくれる店内に逃げ込む。聖母マリアの温もりと同じくらいの包容力がそこにはあった。コタツで丸くなる猫も同様の気持ちだろう、もう出たくない。

思い思いの食料で発熱を試みる我々

ホットコーヒーとハッシュドポテトで暖を取る筆者。コーヒーが五臓六腑に染み渡る。少しずつ気温も上がってきた、このままいければ死ぬことは無いだろう。

休むと思う、まじでここから動きたくない、もうこれでフィニッシュでいいっしょって。足に根が生えた。
これ以上休んでいるとテコでも動かなくなりそうなので、後ろ髪をガチムチマッチョに引かれてるのかと思うくらい気が向かなかったがオアシスという名のコンビニを後にし、再び極寒の地房総半島に戻る。

ここまでの総走行距離は40.3キロ。概ね1/5だから野球で言ったら3回の表といったところ。おいおい、まだ序盤も序盤じゃねーか。

次の区間は若干の登りがあるという、体が温まって良いかもしれない。その分下りで凍えるんだろうけど…
200キロの道のりはまだまだ続く。

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