もう会ってないけど、大好きだった人たちに

そういう人たちのことを考えるとき、すまなく思うとき、ふと会わなきゃと思うとき。なにかが飛んでいってその人を少し元気に支えてくれたらいい

カルディのこと、出会いは中学生。
高校の見学に遠い駅まで行って、駅前から目当ての高校までつづく商店街で向こうが飛び込んできた。店頭に立っていたお姉さんが唐突に小さい紙のカップを渡してくる。半ば押し付けるようだったけど確か笑顔だった。
渡されたそれを制服のままぽかんと飲むとあまりにも美味しい。相当びっくりしたのでカップの中身の名前はその場で覚えた。イタリアンローストコーヒーのカフェオレ。いきなり甘いカフェオレくれる店が悪い場所なわけないな、中学生のわたしにはそういう輸入食品屋は、ヨーロッパのクリスマスマーケットのように映ったものである。
そんな善行のお店は現在、住まいから一駅隣にあるようになった。今もクリスマスマーケットに入る気持ちで入店したりする。

桜上水駅のホーム、お向かいの車両で、ドア際に立ったサラリーマン風の男性がうちわを仰いでいた。ゆったりとした速さで。小満も過ぎて、遅い春がやってきたような、もう初夏のにおいもするような。
05.22

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