普段そうとう急いでる

きゅうに精神にガタが来た日だった。
明日へ向けて急ぐ気も起きず暗い道をよろよろ歩き、どこか異国の地でキリンが水を飲むライブ映像と納豆ごはんを食べ。
perfumeのバルセロナ公演を見ながら洗濯物をかろうじて回しきる。
手嶌葵と加山雄三を聞きながら3時間料理をした。
水につけたままだった茄子がだめになっていてすべてのスイッチが切り替わったようだ。

職場の先輩の家族に消えない病気が顕れたらしい。いつも気を遣いすぎるくらいの優しい人が、やっぱり元気がなかった。
一旦は腫物扱いをすべきではないと思いつつ、業務に追われてなんだか当たり障りのない反応をしてしまう。

昼休みには最近起きた虐待事件の話が出た。いつもおちゃらけている優しいその先輩は「虐待する奴は同じ目に遭わせてやりたい」と強い言葉で拒絶した。
忙しい日が終わって、事件の記事を読み漁り病気のことを考えながら一人で帰るうちに、どんどん悲しくなった。あてられたのか、これ。

あの人のきっと本質的なところを見たのは初めてだったのに。それくらいのことだったのに。小さな子供だったのに。目の前のことより大事だったはずなのに。

なんの関係もない自分ができることはなんもない。せめてチョコレートを贈ったり、自身で慰める手助けアイテムを散らばすことしかできない。

せっせと手を動かすことでやはり気持ちがしっかりしてきたのがわかる。

どうにもならないってこういうことだけど、気を遣い合うより、どこかで元気をもらってもらうためにも、全てのルーティンはこなそう。早く寝ることにした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?