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エストニア・ナルヴァのお話

エストニアと言えば首都タリンで、旧市街地など観光地も多く、行かれたことのある方も多いと思います。ナルヴァは大学の街タルトゥに次ぐエストニア第三の都市と言われているところで、ロシアとの国境の街でもあります。とは言え、自転車で1時間程度で1周できるくらいの小さな街で、公共交通機関はバスのみです。サンクトペテルブルクからはバスで約3時間、15ユーロ(時間帯やバス会社により異なります)。ナルヴァ川を境に左側がロシアのイヴァンゴロド、右側がナルヴァで、橋がロシアとエストニアを結ぶフレンドシップ橋です。ナルヴァ住人の90%がロシア語を話し、学校ではエストニア語とロシア語で授業が行われ、さらに第二か国語として英語があるそうです。若い年代の人々は3か国語を話すことができ、ロシアからの移住者も多く、年配の方の中にはロシア語しか話さない方もいるそうです。ロシアとナルヴァを行き来する生活をしていたり、家族がロシアに住んでいるという人も多いようです。

エストニアはEU圏で、泳いでも行けそうな距離のロシアとはだいぶ様子が違いました。何が違うか...まず、とてもクリーン、きれいな街でした。景色もさることながら、毎日清掃員の方が道や公園を掃除したり草刈をしたり花を植え替えたり、ごみ箱を片づけたりベンチを塗り替えたり。住宅などの建物も古い物ばかりでも修復工事がこまめにされているため、とてもきれいに保たれていました。ビザや住民の登録関係は警察の管轄で、ネット上で案内が細かく出ていて、メールで問い合わせてもほぼ当日中に返信があったり、窓口に行くときには予約もできてあまり待たされることもなく、書類等の受け渡しもとてもスムーズでした。(ロシアとは大違い!)

大きなショッピングモールが2つと大きめのスーパーマーケットが2つあって、あとは小さな昔ながらのショッピングセンター的なものや小規模なスーパーマーケットや商店のようなお店と、ファーストフードも2つだけ。1つはマクドナルドでもう1つはヘスバーガーというフィンランドのファーストフードチェーンだけでした。スーパー内の表示はほぼエストニア語だけでしたが、輸入品も数多く、とても買い物がしやすかったです。日本と同じように、サンクトペテルブルクもですが、ナルヴァも歯医者は多かったです。レストランやカフェ、バーなどもありましたが、どのお店もいつもあまり人が入っているのを見かけたことはありませんでした。サンクトペテルブルクより少し物価が安いくらいで、生活費は1か月100ユーロで充分でした。その割にナルヴァもサンクトペテルブルクもレストランの価格帯は日本とあまり変わらないので、外食の機会は少ないようです。

酔いつぶれた人が道端で寝ていたり、昼間からお酒の匂いぷんぷんさせたおじさんがうろうろしていたり、就業率があまり高くないようでしたが、パトカーが24時間細い道でもあちこちを巡回していて、日本より治安は良いのではないかと思えました。私は6か月間滞在していましたが、その間に見かけたアジア人は観光らしき若い女性一人だけでした。アジア人はかなり珍しいらしく、すれ違う人達、特に子供からはかなりジロジロあからさまにみられることが多く、それが少し居心地悪かったですが、夏はサングラスをかけて凌ぎました。

自然だらけでどこを見ても素晴らしい景色が広がっていて、とても住みやすい街でしたが、私には少し退屈だったかな。隠居生活のような...毎日とても時間がゆっくりと流れていた日々でした。

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