働くってなんだろう。

小さい頃から自分が会社で働く姿を一切想像できなかった。
早めに結婚して、子供を産んで、専業主婦になる自分の姿しか想像したことがなかった。
私はそれが一般的な女の姿とされるような田舎で生まれ育った。
それが高校生の時に一変して、誰かのために働くのが自分の働く姿に変わった。大学生になって、きっと私は日本以外の国でこの世界の歪みの犠牲者となっている人たちに少しだけ、ほんの少しだけ手を差し伸べる仕事をしようと、それ以外は何もイメージできなかった。

大学を卒業すると同時に、小さい時に思い描いてきた自分の未来、つまり
専業主婦になるプランが濃厚になった。
卒業ギリギリになって、プラン変更。今度は、大学に入って思い描いたような仕事をすることになった。

ああ。だめだ。
毎日オフィスに通うなんて。
こんなに違和感を抱えているのに、何一つ解消できない場所なんて。
いまだにはっきりとは分からないけど、
私には毎日会社に行って、一定時間働いて..という毎日は送れないみたいだった。大人からしたら、「ゆとり」なんだろうな。

今は、毎日家で働いている。
働く時間も、仕事内容も自分で選ぶ。
私の仕事を気に入ってもらえたら、仕事は続く。
ヘマをしたら、人として疑われるようなことなんてあったら、
仕事はゼロになる。そういう仕事。

周りのみんなのように一定のお給料はもらえない。
風邪をひいて休んだら、お金は発生しない。
ボーナスも、福利厚生も何もない。
それでも私は、今の方がずっとずっと幸せなんだ。
自分の思考が押しつぶされない。
自分は誰なのか、どうしたいのか、どう感じているのか。
ジブンの声をしっかり聞いてあげられる。悪くない。全然。

少し前まで、こんな自分がコンプレックスだった。
今は、とても自信がある。
だって、今こうやって生きているのは、全部自分が勝ち取ったから。
誰かに認められるわけじゃない。
自分が認めてあげられる人生。それでいいと思っている。

私がこんな働き方だから、家事もできて、
犬ともたくさん遊べて、おばあちゃんとものんびりできる。
だって焼きみかんが美味しい季節が来たからね。

まだまだやりたいことがある。
今はまだまだ準備期間。

じっと、じっと耐えて、時がきたら羽ばたけるように。