創作するという地獄


#眠れない夜に

それは突然やってきます。

私の心を掻き乱します、
胸のあたりがズキズキと痛みます、
呼吸を乱します、
目を泳がせます、
私を変な人にさせます。

私は、
それが来る度に叫びます。
もう帰ってくれないか、
今は会いたくない、
そんな気分じゃないと叫びます。

それは、
私の言葉を聞いて、
悲しそうな顔をするでもなく、
ため息をつくでもなく、
ただ蔑むような顔をして、
ただ、
私を見つめるだけです。

私は、
その顔を見る度に、
今日も負けた、
所詮大したことないただの人間、
何も産み出さない、
と言われてもないのに、
自分の中で勝手に言葉が出てきます。

私は、
その自分の言葉の重さに負けて、
膝をつき、
手をつき、
顔は下に向いて、
自動的に、
それに対して、
土下座をすることになるのです。

いつもそう、
上を見れば見るほど、
重くなっていき、
耐えるのに精一杯になり、
脂汗も出てきます。
昨日、
ちゃんと寝なかったから。
私の視界には、
だらしのない脂汗が、
ピチョンピチョンと、
音をたてて、
水たまりを作っていく様子しかうつっていません。
そのうち、
自分の顔を反射するくらいに
なるでしょう。
それは、
避けなくてはなりません。

私は今どんな顔をしているでしょうか、
苦しんでいる顔?
悔しそうな顔?
一番していてほしくないのは、
何も感じていない顔です。
この苦痛を感じて、
受動的に感じるだけで、
頑張っている風になっているから。
だから、
この状況に対して、
何も感じないのです。
何もしなくても、
何かに頑張っているように
なっているから。

私は私のそんな顔を見たら、
もう、
終わってしまうと思います。
だから、
それは避けないといけない。
しかし、
脂汗は水たまりを作っていきます。
私は、
情けなく雄叫びを上げながら、
顔を上げます。

そこには、
ハイヒールの裏側がありました。

ハイヒールの支えるところが、
私の口の中に入ります。

こんな時にも、
想像に逃げるのか。
自分のいいように考えるのか。
本当に咥えているのは、
ハイヒールの支えるところなのか。

現実を見れているのか。
自分の状況を把握出来ているのか。
自分のことを客観視出来ているのか。
自分の状況をドラマ的に捉えていないだろうか。

そこまで悲しい状況なのか。

何を加えているのか。

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