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人形たちの白昼夢

人形たちの白昼夢。
千早 茜さんの小説です。

唐突ですが、「白昼夢」って言葉すごくお洒落だと思いませんか?
真昼に夢を見ているような、非現実的な空想。という意味です。

私が初めて白昼夢という言葉を知ったのは、藤子A不二雄の
「笑ウせぇるすまん」というアニメを見た時です。

白昼夢というタイトルの回がありました。
それはサラリーマンが仕事の休憩中にキャバクラに行くという内容の話でしたが
当時の私は白昼夢という言葉の意味も知らず、キャバクラにも行った事がないので話の意図は理解できませんでしたが、タイトルの「白昼夢」という言葉だけずっと頭に残ってました。
文字だけでなんてお洒落な言葉なんだろうと思った事を覚えています。

そのように意味はよく分かってなくても何故かピンポイントでそこだけ覚えているという現象がたまにありますよね。
「人形たちの白昼夢」本屋でタイトルを見た時に、即購入しました。
千早茜さんの小説は「透明な夜の香り」を読んだ事があり、全く知らない作家では無かったので迷う事はありませんでした。
いくつかの話が載った短編集です。特に印象深く記憶に残っているのは
「プッタネスカ」という章です。
プッタネスカとは、トマトベースのパスタで、アンチョビ、オリーブ、ケーパーが入った美味しいパスタですよね。
プッタネスカはイタリア語で娼婦風という意味です。
今風にいうならば風俗嬢です。
買い物に行く時間のない娼婦が家にある保存食で作ったパスタという諸説もあります。

章の「プッタネスカ」も娼婦の話になっています。
一般的に娼婦とはイメージがよくありません。
しかし、小説の内容では時代背景も加わり、好きで娼婦になるのではなく、生きていくために娼婦なった人たちの話です。
それはそれは力強く、勇敢に、どこか儚く、綺麗に生きた女性たちの話でした。

最後には胸を張って誇らしく終わります。
職種や生い立ち、人種や境遇で対応を変える人も世の中にはいます。
戦争や政治などと大それた事をココに書くつもりはありませんが、
「他人にはこういう人もいるから、こう思ってあげよう」ではなく、
私が言いたいのは、今の自分に不満や葛藤がある方に
お手本としてこういう素晴らしい方々もいるんだよ。と伝えたく絵と文章を描かせて頂きました。

少し長くなりましたが、気になった方は是非読んで見てください。
今回はもし自分が「人形たちの白昼夢」という小説の表紙を描かせて頂くならと考えながら描いたイラストです。

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