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こんな夢をみた

もう一つ竜の夢を近頃見ていた。

竜の夢をみる時は神秘的な体験や力を得られる可能性がある場合と、超常的な力でなんとか自分の人生を他力本願一発逆転、変えて欲しい時なのだそうです。私の場合は後者だな。


その竜は不可視の竜で、形がはっきりしなかった。

目を凝らせば人の形のようにも見えるが、黒いぼんやりした影が竜の尻尾のようにぐんと大きく伸びる時もあり、色々だった。形は様々だが、私はそれが一つの個体としての竜だと分かっていた。

私はなぜかその竜に気に入られており、気まぐれでしかし竜としては良かれの気持ちでちちんぷいぷい不老不死にされてしまった。

簡単に人を不老不死にするな。

東洋の仙人のように,移り変わる森羅万象を眺め、ひとときの美しい季節を折々愛でながら過ごすのも良いと思ったが、私はしっかりアニメ バッカーノ!!!を履修していたので、竜に聞いた。

「永遠に生きるのは孤独では無い様なので構わないが、私が万が一にでも敵に捕まって、継続する責め苦を受けた場合、それもまた永遠である。人間の脆弱な精神ではすぐに狂ってしまうと思うのだが、その場合どうか?」

竜は悩んでいた。顔はぼんやりして窺い知れないのだが、薄汚く矮小で残酷な人間が考えうる、いとも容易く行われるえげつない行為など、考えもつかなかったらしい。清いいきものである。かわいいな。竜は困っていたが、ありえないことでは無いと思ってくれたようだった。そしてやはり、やっぱやーめた、で私の不老不死は取り消せないようである。

これから竜と2人で『万が一の場合』の対策を練らなくてはいけない。なに、時間は無限にある。


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