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結局、人は見たいものしか見ない

「目時さんって本名なんですか?」と驚かれることがある。

名前の「白珠」は雅号(ニックネームのようなもの)だが、苗字の「目時」は本名。

北東北と言われる青森・秋田・岩手にはそれなりにいる。
確か1,800人くらい。

上京して20数年。
東京で北東北出身の人に会うと「もしかして北の方ですか?」と言われるし、

名刺交換すると「何とお読みするのですか?」から話が始まり、初対面の人に会っても何とか場つなぎになる、ありがたい苗字だ。

…今回は苗字の話をしたいわけではなく、作品の話。

私は今、Webサイトのニュース記事をスクリーントーンの手法で書いた「Today's My Paper」シリーズをメインに制作している。

8月に名古屋三越「ARTE CASA」のグループ展に参加した時、私の作品を見たあるお客様から

目時さんって、日々の雑多な情報を独自の【目線】で【瞬時】に切り取る視点で書くためにつけた、オリジナルの作家名だと思ってた

という嬉しい言葉をいただいた。

名は体を表す的な。
あー、目時に生まれて良かったー!と思った。
(脳内イメージは、世界陸上の織田裕二のモノマネをする山本高広)

2018年頃から、現代アートの視点で書道に取り組む
「ART SHODO」運動に参加しているが、取り扱っているテーマ、書の定義は一貫している。

日々の些末な出来事や心の機微を形に残して、その瞬間を追体験すること。

超ミーハーな私は、自分が大衆のコマとして、メディアから影響を受ける群衆心理に興味を持ち、大学時代に社会心理学を専攻していた。

いま私がライブや落語や芝居など、生での体験を好み、せっせと推し活に励むのも、客観的な観察対象になっている。

先日行われた現代アート書道コンペ「ART SHODO SELECTION in Tokyo」では、

目から入った残像がどのように脳に伝わるか…「見る側」の問題を捉えているという評価をいただいた。

コロナ禍以降、情報の受け取り方や解像度が、人によって大きく違うことに戸惑いを覚えるようになった。

皆同じ文字情報を見ているはずなのに、見えている景色があまりにも違う。

同じ文字情報なのに、網膜を通して皆が見ているものは一体何なんだろう…という疑問は尽きない。

エビデンスが重要とされながらも、その基本となる情報にバイアスがかかって、それぞれの観点で語られるエビデンスに翻弄されていく。

実はエビデンスは、あってもなくてもどうでも良くて、結局は皆「自分が見たいものしか見たくない」のだね、きっと。

その心理と行動が、社会の分断を加速させているのかしら…。

嗚呼…これからの時代、私たちはこの情報の洪水をどう生き抜くんだろう…。

みたいなことをいつも頭の片隅に置きながら、作品のアイデアを練って紙にぶつける日々です。

10月21日(金)から31日(月)まで、「ART SHODO」運動に参加している作家4名による「ART SHODO GARDEN」と称したグループ展を銀座のギャラリー枝香庵で開催します。

さっきまでは堅い内容の文章書いてましたが、カタカナ語に辟易して脳内がふざけてしまった作品も書いてるし、

いとをかしき言の葉~エビデンス~
(洋紙・墨・額装/12.7×8.9cm)

もしや、これはあの人?という作品も書いてますが、

Today‘s My Paper -The Birth of a New Hero- (Saturday, September 10th,2022)
(ボーカスペーパー・油性ペン・額装/42×29.7cm)


日々の些末とも思える雑多な情報を、目時なりの視点で切り取った作品を展示します。

ART SHODOの動きに賛同し、それぞれのスタイルで新しい時代の書を探究する4人の挑戦をぜひご高覧ください。

目時は、27日(木)、29日(土)以外は基本在廊予定。
お越しになる方、事前にご連絡いただけると嬉しいです!
(TwitterのDM開放しております。)

ART SHODO GARDEN
新たな時代の書とは何か

<日時>
2022年10月21日(金)~31日(月)
11:30〜19:00(日曜日・最終日は17:00まで)
※10月26日(水)は休廊

<場所>
銀座 ギャラリー枝香庵
東京都中央区銀座3-3-12 銀座ビルディング8F
Tel:03-3567-8110
東京メトロ銀座駅 C8出口1分
東京メトロ銀座一丁目駅 5番出口5分
★ビル左横の通路を入り エレベーターでお越しください

<出展作家>
Tosen Iwasaki・竹村敦子・谷村優希・目時白珠




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