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俳優演出-オーディションでわかること

良い俳優が "どんな俳優なのか" を知る事は映画監督として大変重要です。

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なぜなら "キャスティング" は映画の命に関わる重要な決定です。
配役を決定する過程で、良い俳優の条件を知っているかどうかは映画監督にとって明暗を分けます。

キャスティング(配役)には様々な方法があります。

例えばシナリオを書く段階で配役を想定して書く場合もあれば、オーディションによって選ぶ事もあります。

今回はオーディションで役を選ぶ基準から "良い俳優" の条件を探っていきましょう。

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そもそも、映画監督は配役する時に役者の何を観ているのでしょうか?

まずオーディションで何をするか見ていきます。
これは各オーディションによって様々です。

①写真、書類審査

ここでは、役に合いそうな外見、経歴を参考に取捨していきます。

②初期段階でのカメラテスト(または動画審査)

方法はカメラに向かい名前、年齢、簡単な自己アピールを言ってもらい、正面、横顔、手と映します。
ここまでで8割はその人が映画俳優として適しているかが判断出来ます。監督が観ているポイントは以下の通り。

カメラに対して構えが無いか。普通カメラに向かって自己紹介をする時、人間は構えてしまいます。緊張から来る場合もありますが、“カメラに向かう” という意識が強過ぎて無意識に過剰な振る舞いをする役者さんがいます。

自己アピール。これは俳優としての賢さを判断する一要素です。短い中で、何を伝えるのか。そう言うのを意識出来ている方が好まれます。ここで言うアピールは『自分の特技がどうだ』とか『どれだけ、この映画で役を演じたいか』を語る事ではありません。“俳優自身がこの映画でどんな役割を果たせるか”を伝える事にあります。そして、監督は俳優たちが自分の求める要求に応えられそうかを判断していきます。

あとは声としゃべり方ですね。しゃべり方は方言も含めてよっぽど訓練しないと変わりません。なので合わないと思われると落とされます。
初期のカメラテストで確認できる事は多くありません。
それでもこの段階で8割の人が落ちます。たった1分程で合否が判断されるのです。逆に言うと映画監督は1分で合否が判断できるのです。これは経験を積まないと難しい判断と言えます。
この動画審査に関しては最近は指定したテキストを読ませたり、demo動画を付けさせたりすることが多いようです。。

③演技テスト

俳優は短い台本、役の設定、脚本の要約等が書かれた紙を事前又はオーディション中に渡されます。ここで見るのは読解力とその読解を通したイマジネーション、そしてコミュニケーション能力です。
では具体的に役者に必要な読解力とはどんな物でしょうか?

次回詳しく解説します。

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