2021年8月に読んだ本まとめ

2021年8月に読んだ本を多少の備忘録とともにまとめるやつです。


成田良悟「バッカーノ! 1935-D Luckstreet Boys」

ラーズランスで行われる3日間のカジノパーティー、その2日目の朝にNYで巻き起こる、大きな熊を中心にしたバカ騒ぎ。
ラッドにグラハム、シャーネに『妖怪(ラルウァ)』、さらにはアイザックとミリアなど、ありとあらゆる立場の面々が集結していく様はバッカーノらしくて良かったです。
一方でラーズランスでの戦いの最大の目玉でもあるフィーロとメルヴィの方の決着自体は、大きな動きがないまま次巻へ持ち越し。
シリーズのありとあらゆる登場人物たちが飛び回る中、最後に笑うのは誰なのか。
最終巻が楽しみになる、1冊でした。


上山道郎「悪役令嬢転生おじさん 第2巻」

52歳の公務員のおじさんが悪役令嬢に転生するコメディ第2巻。
今回からは憲三郎(グレイス)を現実世界からゲームを通してサポートする、娘の日菜子らが初登場。
日菜子がオタクの両親の元で伸び伸び育ってきた健康的なオタクで、かなり良かったです。
ゲームの世界の中ではグレイスがさらに学園内での活躍を広げ、お話も面白くなって参りました。
グレイスに注目されがちですが、アンナもグレイスへの信頼が日に日に増していき、底抜けに良い娘であることがわかりますね……。


今村昌弘「屍人荘の殺人」

ミステリ愛好会と探偵少女が、曰く付きの映画研究部の夏合宿に参加するお話。
まず主人公格となるミステリ愛好会の葉村と明智、そして比留子さんのキャラクターが良い。
序盤から中盤にかけてのきな臭いイメージに対して、殺人事件が起きてからの中盤から後半はずっと本格ミステリをしているというアンバランスさが、この作品の決定的なまでに他作品と一線を画すポイントになっているのかなと。
あちこちに伏線や謎解きのヒントが隠され、読み終えてからは「なるほど!」と膝を打つ。
楽しく読めて、心に迫るものがあり、ミステリとしておもしろかった!


雨森たきび「負けヒロインが多すぎる!」

めちゃくちゃおもしろかったです!
主人公とヒロインの恋物語の前に、儚くも散っていった負けヒロイン……そんな彼女たちにスポットライトを当てたラブコメ。
まず負けヒロインたちが負けヒロインとは思えないくらい可愛くて魅力的で、だけど負けヒロイン故にどこか残念なところもあって。
そんな彼女たちとのコミカルなやり取りは、読んでいてとても楽しいものでした。
合宿に行ったりと楽しいイベントをこなしながら、一方で恋の切なさもしっかり描いているのが良かったです。
負けヒロインもストーリーもイベントも全てが楽しい、最高のエンタメ作品でした。


あわむら赤光「俺の女友達が最高に可愛い。」

彼氏彼女じゃなくて、ただひたすら漫画やアニメやゲームの趣味が合う女友達がいたら最高だろ!!! っていうのでぶん殴ってくる女友達ラブコメでした。
まず超絶可愛い上にクラスのイケてるグループに所属してて、なのにカイと趣味が合いすぎるジュンがめちゃくちゃ可愛い。
そんなジュンとひたすら友達として遊ぶの最高。
だけど作品としてはそれだけでなく、ジュンと仲良くしていたせいでイケてる男子グループに目をつけられたりと波乱もありました。
その上でカイのジュンへの熱い想いや、ガッツが感じられたのがとても良かったです。


暁なつめ「この素晴らしい世界に祝福を!3 よんでますよ、ダクネスさん。」

国家転覆罪の疑いにより裁判にかけられるカズマ。
そしてめぐみんのライバルゆんゆんが初登場したり、ダクネスのお見合いがあったりと騒がしい第3巻。
表紙の通りダクネスメインのエピソードもあり、彼女のお嬢様設定が明らかに。
カズマとの息ぴったりな掛け合いや、可愛らしい名前をイジられる様子はとてもかわいらしかったです。
新キャラのゆんゆんも可愛らしく、めぐみんとの関係性がおもしろいだけに、もっといろいろな絡みが見たいところですね。
バトルシーンでは、かなり珍しいことに、ダクネスの活躍も……!


支倉凍砂「マグダラで眠れⅤ」

カザンの町から脱出した一行は、港町ニールベルクで神の祝福の象徴でもある鐘楼を作ることとなる。
いつにも増して地味なエピソードですが、フェネシスとクースラにとっては大きな転換点となるエピソードでもありました。
クースラって……いや、これ以上は言うまい。
アイルゼンの人間らしい面が見られたり、冷徹なウェランドがそれでもクースラたちにやさしさを見せたりと、それぞれのキャラクターたちの意外な一面が見られたのが良かったです。イリーネはいつも通り工房大好き女でした。
ここからクースラが錬金術師としてどう進むことになるか、とても重要なエピソードになりそうなので次も楽しみです。


渡航「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4」

夏休み! ということで奉仕部も小学校の野外活動のボランティアとして夏合宿へ。
奉仕部だけでなく小町や戸塚、葉山グループのメンバーも参加しており、特別な雰囲気が味わえました。
夏合宿らしく野外料理に川遊び、肝試しもあって楽しいエピソードが盛りだくさん。
葉山グループが本格的に話に関わってきたことで、三浦や海老名の魅力がグッと感じられるようになりました。
海老名のオープン腐女子っぷりはすごくかわいいです。
物語のメインとなる留美ちゃんの件は解決したかは微妙ながらも、こういうやり方も俺ガイルらしいですね……


榮三一「果てない空をキミと飛びたい 雨の日にアイドルに傘を貸したら、二人きりでレッスンをすることになった」

飛行機の専門学校を舞台に、飛行機バカの少年と、アイドルの少女の恋物語。
矧と美月の飛行機のレッスンを通じての交流は、微笑ましいものがありました。
飛行機のレッスン的にもラブコメ的にも大きな盛り上がりが無いままで終わってしまったため、良くも悪くもプロローグ段階、という印象でしょうか。
ここからプロジェクトが進行するにつれて、ふたりの仲も深まっていくのかと思うと楽しみですね。
キャラクター陣は魅力的なので、これからの展開に期待です。


山崎響「婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ 上」

大筋としてはタイトルの通りです。
投獄されていながらも、獄中で快適な日常を送るレイチェルの様子を楽しむ作品です。
獄中生活を満喫するためにお抱えの優秀なメイド軍団を駆使したり、時には買収をしたりと、やることがいちいちスケールがでかいのがおもしろいです。
レイチェルを投獄した王子のエリオットを筆頭に、バカキャラが多いので、テンション高く読み進められるのが良かったです。
下巻へとつながる後半にさしかかってくると、レイチェルがややきな臭い雰囲気を醸し出してきたため、ここからの展開にも期待したいですね。


個人的な今月のお気に入り作品トップ5

第1位/屍人荘の殺人

第2位/負けヒロインが多すぎる!

第3位/やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4

第4位/俺の女友達が最高に可愛い。

第5位/婚約破棄から始まる悪役令嬢の監獄スローライフ 上