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”ブルースポットニキシー管”について

こんにちは。本稿では、当店で「訳あり品」として扱っております表題の管につきましてご説明をさせて頂きます。また過去に『大型ニキシー管時計』の購入者様に対してご説明をさせて頂いた事もあり、それと同じ内容となっております。

ブルースポット管とは

現在まとまって入手出来るもののなかで一番大きなニキシー管が、旧ソ連製『IN-18』です。管の直径が3センチで、とても見栄えが良いです。ガラス管のてっぺんに突起が無いのも格好良いですね。

ところが、IN-18には特有の困った現象があります。タイトル画像にもありましたが、以下の写真をご覧下さい。

画像1

1枚目、色味は写真で良く再現されています。コントラストをあえて強調しています。

画像2

「1」を表示した時だけ、字の前方、最前面のメッシュ電極上に青いスポット光が発生しています。出る管と出ない管があります。写真は出る管だけを集めました。

画像3

写真3枚目も、前の2枚と同じ管です。「1」以外の0、2~9では青い光は出現しません。どうも電極の配置の関係で「1」点灯時にのみ電子の流れが不均一になり、青く光る様です。

今まで60本ちかくのIN-18を扱いましたが、スポット光が出た管は全体の2~3割といったところです。法則性は見出されておりませんが出る管、出ない管ははっきり分かれています。スポット光の位置と個数は管ごとに固定されている様です。

ブルースポットに対する世間の評価

この様な現象でも視認性を妨げないので問題ないと思われたのか、製造元では対策が取られることも無く長年製造がなされていた様です。

また世界のニキシー管マニアの間では「ブルースポット管は不良品ではない」という声が大きいと思われます("Nixie blue glow"などで検索)。「むしろ個性」という声もありました。洗練されきっていない工業製品、あるいは旧ソヴィエト連邦への愛着とでも言いますでしょうか。

こういった声を受けてなのか、IN-18を東欧諸国から世界に販売している方々もブルー管を完全動作品として売っています。

当店の見解

上記の様な状況ではございますが、当店はそれらに敢えて反しまして

・こんにち、ニキシー管は美術品の様な扱いを受けている

・当店はマニア向けのお店ではないしブルー管の事はひろく周知されていない

ことを鑑み、ブルースポット管は当店独自の品質基準を満たしていない、と今のところ考えております。

そこで問題が起きています

品質的にはバツということで当店では現在、対応として「ブルー管は原価の半額以下に値引き」という事を行っております。

その結果純利益は下がり、またブルースポットがあろうがなかろうが仕入れ値は同じですので、商売的には不確実性の高い品目となってしまっております。単価の高さ(2020年2月現在、1本5千円以上)も当店の自転車操業には辛いものがあります。

大型ニキシー管時計の納期が長く掛かってしまったり、お客様には色々ご迷惑をかけておりますが、背後にこういった事情を抱えていることを承知して頂けるとありがたいです。

またIN-18の相場も将来どんどん上昇していくと思われますので、現在の値引き対応もいつまで続くか分からないという事も付記しておきます。

結局、ニキシー管を内製しない限りはこの手の問題は付いて回るという事ですね…。

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