かっこいいものは時が経ってもかっこいい。
youtubeを何気なく見ていたら、おすすめ欄に、
「魔法戦士レイアース」
という公式動画が上がっていました。
な、なつかしい!!!
小さいときにとても大好きだったアニメです。
ダントツで好きだったのは、セーラームーンなんだけど(笑)
さすがに飽きてきたころに、たまたまレンタルビデオ店で見つけて。
ものすごくはまってた記憶がある…。
私が1歳くらいの頃テレビで放送していたらしいので、ドンピシャ世代ではないのだけれど、1世代遅れて借りてみてました。
当時は何もわからずただ面白いから見ていたのだけど、「カードキャプターさくら」で有名なCLANPの少女漫画です。
「魔法戦士」と書いて、「マジック・ナイト」と読む。
ユーチューブ上では、公式で3話まで公開されてて、なつかしさ爆発でした。
続きも出してくれ~。
しかし、今思うとすごく斬新な設定です。
戦う女の子の話ってところは、セーラームーンと同じだし、少女漫画らしく、絵柄も目が大きくてきらきら!なんだけど(笑)
そこにガンダムみたいなロボット要素と、RPG要素が加わります…。
(ガンダム詳しくないけども)
ちょっと男の子に片足突っ込んでいる感じだね。
光・海・風という三人の女の子が異世界、セフィーロに当然召喚されて、悪者にさらわれたお姫様、エメロード姫を救出するまでの冒険譚です。
ピーチ姫を救いに行くマリオ的ストーリーですね。
魔法あり、剣とか弓矢とかの武器を使った戦いあり、変身っぽいシーンあり。最後はかっこいい魔神(マシン)というガンダム顔負けのロボを乗りこなして戦うという、子ども心をくすぐる要素てんこ盛り。
よくここまで盛り込んで、調和がとれるもんだ。しかも、登場人物の名前のほとんどが、当時売られていた「車種」の名前という、ネーミングの遊び心もあり。チビっこだったので、全然気が付かなかったけど。
とても面白かったなー。
成長する武器とか、魔法とか、すごく夢中で見てました。
しかし、ネタバレになるんですが。
これ、ラストが結構衝撃的なんです。
セフィーロという世界は祈りの世界。
さらわれたお姫様は、その世界の「柱」としての役割を持っていて、そのお姫様たった一人の祈りによって、世界の均衡が保たれていたんですよね。
エメロード姫をさらったのが悪の神官、ザガートで、それ以降は世界は荒れ果ててしまい、魔物がうようよする混沌とした場所になってしまいました。
そんな世界を救うために、お姫様は「柱」としての能力を使い、マジックナイトを召還しました。それが主人公の三人です。
「この世界を救って」
と言われた三人は、自分たちのもとの世界に返るためにも、ザガートを倒すために旅に出て、心を磨き、刺客の邪魔も乗り越えて、最期はお約束どおり、ラスボスも倒して、姫を助けます。
よし、これでお姫様を救った!
めでたし、めでたし。
じゃないですか。
マリオ的に言うなら、クッパを倒して、ピーチ姫救出!おめでとうですよ。
しかし、三人を待ち受けていたのは、
怒り狂ったお姫様でした。
「よくも、私の愛する人を殺したわね!!!!許さない!」
と言って、さいご、なんとお姫様が、
本当のラスボスになるんです…。
子どもながらに「嘘だ…」とショックでした。
主人公3人もショックでした…。
それまで聞かされていた話には、誤解があって。世界の均衡が乱れてしまったのは、「姫が誘拐されたから」ではなく、「姫がザガートを愛してしまったから」なのでした…。
「柱」になったら、自分のことはすべてなげうって、ずっと世界の平和だけを祈らないといけないんですね。だから、恋愛もしてはいけなくて、でも、好きになってしまったから、祈りの均衡が乱れて、世界が崩れてしまったんですね。
そのことに責任を感じて、戦士を呼び出したのが本当の理由。
「柱」という尊い存在は、自殺もできなければ、その世界の人には殺したりできない。だから、「柱」の役割を果たせなくなったら、別の世界から戦士を呼び出して自分を殺してもらう、というその世界のシステムだったんです。
三人の本当のミッションは「姫を救うこと」ではなくて、柱として機能しなくなった「姫を殺すこと」だった…。
そして、いままで倒してきた敵は、姫を守るために、自分たちの前に立ちはだかっていた…
という悲劇的な終わりかたをするんです…。
子どもがみるヒーローアニメにしては、かなり大人びてる設定で。
それだけに、すごく印象に残ってます。
それまでは、よくある心躍る冒険ストーリーだったのに、一番最後で、「正義ってなんですか???」っていう衝撃的問題提起をしてくる。
角度を変えて見たら、どんなに悪役に見えても、本当は違うかもしれないという。
なんか、ものすごく考えさせられる内容なんです。
実際、世の中は、白黒つくことよりも、注意深く多面的なものの見方をしないといけないことのほうが多いですよね。
その辺のことを濁さないで、子どもに伝えてくるって。今考えてもすごいなぁと思ってしまいます。
これ知ってる人少なくて、同世代でもあんまりいないんですけど。
もっと知れ渡って欲しいなぁ~と思います。
そして、これをきっかけにすごい!と改めて思ったことがもう一つ。
このアニメ、第二部もあって、ゴールしたその後も展開されているんですけど。
小さい時、二部の方のエンディングの歌がすごく好きだったんですよね~。
いや、もう全体的にどの歌もすごくいいことで有名なんですけど。
私はとくにエンディングの歌がすごく好きだったんです。大人っぽくてかっこよくて。
久々に聴いてみようと思って、検索したら。
歌い手が「本田美奈子」さんだということに初めて気がつきました。
知った時にはもうなくなっていたイメージなので、名前は知っていても、歌とか、人柄は良く知らなくて。
「あーそうだったんだなー」と思いながら、歌謡番組でエンディングの歌を歌ってくれている映像を発見し、見てみたら…
脱帽。
なんだこの歌唱力は。
日本人歌手で過去最高に感動したかもしれない。というくらい感動しました。
昭和感は否めないけど、それを吹き飛ばすくらいチャーミングで、美人さんで、パワフルでかっこいいです。
そして声がすごすぎる。
一昔前でも、かっこいいひとはかっこいいし、面白いものはおもしろい。不滅。
心底かっこよかったので、貼っておきます。
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