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【取材レポート】Meta(メタ)・SB C&S主催セミナー「最新VR/MRの世界」

皆さん、こんにちは、JapanStep(ジャパンステップ)です。
いつも公式noteやMetaStep(メタステップ)をご覧頂き、ありがとうございます。

MetaStep編集部では、日々Web3・メタバース関連の情報収集を行うため、様々なセミナーや展示会へ伺っています。

今回は、世界のメタバース業界を牽引するMeta(メタ)と、IT製品の流通等を行うSB C&S株式会社の共同開催となる、ビジネスの現場におけるVR/MR活用事例を紹介するセミナー「ここまできた!最新VR/MRの世界」へ行ってきました!

日本全国7都市で行われる本イベントでは、Meta社のXR研究チーム「Meta Reality Labs B2B」の担当者を始め、各イベントにゲストを呼び、最新のVR/MR情報と、ビジネス現場での活用事例を紹介。講演後の1週間は、Meta Questなどの実機にてVR/MRコンテンツの体験会もあるようです。編集部は初日の東京会場「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」へ伺ってきました。

本日のセミナー内容である製造業を中心に
業界関係者が集まっていました

人同士の繋がりを、仕事上でも促進する

最初の講演は、Meta社 B2B事業開発担当部長 中島耕一郎氏による「MR/VRでビジネスがどう変革するか」というテーマ。Meta社の海外事例を中心に、MR/VRプラットフォームの可能性が語られました。

Meta社 B2B事業開発担当部長 中島耕一郎氏 
国内外で、数々のものづくりに携わってきた

Meta社では、「Meta for Work」の名のもとに、MetaQuestを中心としたXR(VR/MR/AR)ビジネス活用を推進する活動を行っています。

実際に海外では米国ファイザー、CHI(シンガポールの保健研究所)などを始め、医療や製造業、教育現場で導入が進められています。
特に海外における研修分野では、全国に点在している社員を一斉に研修する事が物理的に困難なため、VR研修の導入が成果を挙げているとのこと。

他にも米国の某製造業では、試作品のデジタルツイン(実物と同じ3DCGモデル)を作って、設計上の課題を事前にVRでレビューしたところ、設計精査時に、事前に600もの課題が発見されています。

統計データによると「Meta for Workのトレーニング受講者の94%が、より良い仕事ができると感じた」との結果が出ているほど、体験者の感触は良いとのこと。主なメリットとしては、
・没入型の体験により、集中力が高まりパフォーマンスが向上する
・業務上の試作品テストや研修、実務作業をVRに置き換える事で機器コスト等が削減できる
ことが挙げられています。

(中島氏)「Metaは、仕事上における人同士の繋がりをVRで推進していき、より良い働き方をどうやって実現したい。ハードウェア・ソフトウェアの両面で、各パートナーと連携していき、常に新しい働き方やビジネスを追求します。エンドユーザーのための「Meta for Work」を実現できるように取り組んで参ります。」
海外事例を参考に、日本の現場にも活用が広まることが期待されています。

製造業におけるXR活用は、追い風に

次の講演は、最先端技術を用いて顧客の課題解決に取り組む、理経による講演。これまで多くのXR活用事例を見てきた筆者でも知らない事例が多く紹介されました。

理経 次世代事業開発部長 経営企画室長 石川大樹氏

(石川氏)「製造業を中心としたNVIDIA Omniverse(オムニバース)をはじめ、製造業のXR活用は今年急速に増えています。3D制作の知識が無くても、Meta 3D Gen(メタ3Dジェン)で簡単にモデリングが出来ますし、XRコンテンツを直感的に制作できるツール『Niantic Studio(ナイアンティック スタジオ)』を用いれば、簡単に作れてしまいます」。

ここ数年、製造業におけるXR活用においては、「いかに内製化できるか」が課題となっていたそう。そこでこういった簡易ツールが登場してきたことは、XRのビジネス活用において追い風となりそうです。

元々製造業では、3DCADデータを使う場面が多い事から、VR活用との親和性は高い印象。ゲームエンジン「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」を用いて、CADデータからハイクオリティなモデルを作るだけでなく、他の技術も絡める事で新しい価値を生み出しています。

MetaQuest Proのアイトラッキング(視線可視化)の機能を使い
「心拍」「脳活動の計測」に繋げ、何を見ているか、だけでなく
「どう感じているか」というデータを取得する事も

AI搭載ロボットと、VRで対話?

最後の講演は国内最大手の自動車部品メーカーのデンソー。クラウドサービス部の池田 光邦氏、鈴木 一帆氏、そして先端技能開発部の入口 和哉氏の3名です。「XRと生成AIで紡ぐ新しい産業の姿」と銘打ち、生成AIを使ったロボット開発の最前線を伝えて頂きました。

デンソーグループは、産業用ロボット分野において数多くのロボット開発を行ってきました。その中で「変化に対応するものづくり」が求められていることを実感しているとのこと。

(入口氏)「ニーズの多様化に伴い、少量・多品種の依頼が増えています。当然ながら製造品の仕様が変われば、都度指示を変える手間が発生します。人だけでなく製造ロボットにおいても同様です。
そこに対応すべく開発したのが、生成AIを使って『人の働き方に応じて柔軟に対応できるロボット』です。」

Generative AI robot Jullie(ジュリー)の紹介

ロボットが何を考えているのか、ChatGPTを介して理解可能

一見、産業用ロボットとして製造現場で働くアーム型ロボット。しかし、何もしなくても、くねくねと動く。まるで生きているかのような動きをするこの「Jullie」は、AI技術が搭載されたロボットとのこと。

作業者はVRゴーグルを付けたまま自分の作業をしつつ、Jullieに口頭で指示。「●●を調べて」と話すと、VR内に表示されたChatGPTのモニターに検索結果が表示されます。ここを応用して、「●●という作業を行って」といった作業指示も可能になりそうです。

Jullieと対話しながら作業を進める様子

これまではAppleの「Siri(シリ)」やAmazonの「Alexa(アレクサ)」が行っていたことが、産業用ロボットにも応用されたイメージだ。実際の現場レベルでは、VRや周囲の状況をロボットが判断して、自立行動する汎用的なロボットへ進化していくのではと期待されている。

(入口氏)「『のど乾いたから、何か飲み物取って』で通じるのは生成AIの特徴です。使用者があいまいな指示をしても、やりたい事をロボットが考えて実行してくれる。より人間の働き方に柔軟に対応が出来ています。
ChatGPTを介して、将来的には「ロボット同士で会話」もする事ができるとか。SFの世界が現実のものになっていますね。

先端技能開発部 入口 和哉氏 
ロボットとAIの可能性について語ります

「これからは、ロボットと対話しながら作業をしていく場面が増えるかもしれません。人一緒にいるような生活シーンにおいてAIロボットがもっと入り込んでいくことを期待しています」。

セミナー後は体験会も開催

講演後は各ソリューションの体験会へ。長蛇の列で大変賑わっていました。

精巧な3Dオブジェクトを目視確認し、不具合などが無いかチェック

実はこの体験会だけは、別日に予約が可能とのこと。
順番を気にすることなく、予約時間いっぱいまで一人で楽しめる形なのでおすすめです。

後日体験会の様子。
特設ポップに飾られたMetaQuest3にテンションが上がります。
約45分間、ソリューションを独り占めできた後日体験会。つい質問攻めに(笑)
スタッフの皆さんにマンツーマンで対応頂けました!

冒頭でも述べた通り、当イベントは全国7都市にて開催予定。
次回は7月19日(金)の広島会場、7月30日(火)の福岡会場です。
講演はJapanStepパートナー企業でもあるビーライズさんの「企業における実践的なVR/MR活用事例のご紹介」、広島大学病院さんの「VRを活用した医学教育」となっております。(詳細は下記公式ページをご確認ください)

お近くの方々はぜひ足を運んでみてください!

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