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反抗期と刃物

やがて私は反抗期を迎えることになります。
その頃小学5年生。

もちろん反抗期なのは私だけではなく
同級生の子達もほとんどが反抗期を迎えます。

私の学年は2クラスで合計人数60人ほど。
話したことのない人がいないくらい少人数です。

私のクラスの担任は若い女性でした。
当然反抗期の私たちを扱えるわけがなく、毎日喧嘩に巻き込まれていました。

教室の中では物が投げ合われていたり、
物が隠されたり、
誰かが授業から抜け出したり、
ベランダから飛び降りようとしたり、
何も事件がないなんて日はなかったです。

やがて担任の先生も投げられた物に顔をぶつけてしまい、教室にこなくなってしまいます。
うつ病になった先生もいました。

その時に気付いたことですが、

荒れている人ほど家庭環境が良くない子達が多かったです。

片親の子や
両親がそろっていても夫婦関係がうまくいっていないことを悟っている子


子供ながらも何か敏感に感じとっていたのだと思います。

もちろん自分も荒れていた1人です。

その頃
家でも母との喧嘩が絶えなかったです。

家に帰れば男がいて、話したいのに聞いてもらえないモヤモヤで、自分の部屋にこもってイライラして泣いていたことを思い出します。

ある日大きな喧嘩をした日があります。

その喧嘩のきっかけが何だったのかは思い出せませんが、母は私が反抗的な態度をとるとすぐに


「そんなに私が嫌なら家を出て
一人でやっていけ」

喧嘩になれば毎回のように突き放される事が
分かっていたので、私は今まで基本的に
母を罵倒する言葉を使ったことも
ありませんし無視したりしたこともありません。

ただ、怒ると止められない母は

早く家を出ろと

玄関に追いやるように包丁を突き付けてきました。

その日は、
しばらくは友人の家にいさせてもらいました。

家を出ていけと言われたときには、
毎回外に追いやられカギを閉められます。

その度に

「お前は本当にお父さんにそっくりだ」

と言われ続けていました。
確かに顔も似ていましたし新しい男がいたら
私なんて邪魔なだけなんだろうと思いました。

何度も何度も

産まれてこなきゃ良かった

そう思っていました。

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