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みなさんには逃げ場があるでしょうか?今日は「逃げ場を確保しましょう」というお話しです。
実験でメチャクチャ難しい問題を解いてもらいました。被験者が問題を解いている最中、実験者は不快な音を鳴らしまくって邪魔をしました。被験者たちはミスを連発し、集中力が持続せず、とうとう途中で投げ出しました。
さすがに可哀そうだろうということで、救いの手を差し伸べました。被験者にボタンを渡し、雑音が我慢できなくなったら、ボタンを押して音をストップできるようにしてあげました。結果はどうなったか?被験者は途中で投げ出さずに問題を解き切ることができました。
ところが驚くべき結果はそこじゃないんです。実験者が驚いたのは次のことです。誰もボタンを押さなかったんです(David C. Glass and Jerome Singer,
“Behavioral Consequences of Adaptation to Controllable and Uncontrollable Noise,” Journal of Experimental Social Psychology 7 (1971): 244–57)。
つまりボタンを押せるとわかっただけで、被験者は十分だったんです。いつでもボタンが押せるなら、それだけで人は頑張れるんです。実際に押さなくてもいいんです。自分が状況をコントロールできる余地があると知っただけで、激しい雑音に耐えられるんです。
つまり人生で大事なのはボタンです。自分なりのボタンを持っているかどうかです。もちろん現実の人生では魔法のボタンはありません。でもいざとなれば自分の意志で行動できるスペースを確保することはできます。
どうしてもできない時にサッサと諦めて逃げるボタンだけを握っていればいいわけです。だから逃げ場だけは確保しておけば、いつでも「逃げ恥ボタン」を押せるわけです。「いつでも止めてやる」「いつでも諦めてやる」という覚悟です。
自分には選択肢があるという余裕が試練から救ってくれます。
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