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効果的な慰め方

ちょっとしたことで落ち込んでいる人を効果的に慰める方法について紹介します。

友だちが失恋したり、失敗したり、不運だったりしたとします。こういう場合、慰め方の典型が竹内まりやの『元気を出して』ではないでしょうか?「チャンスは何度でも訪れてくれるはず。彼だけが男じゃないことに気づいて」、「人生はあなたが思うほど悪くない。早く元気出してあの笑顔を見せて」。

慰め方のポイントが「そんな小さなことで悩むことないよ」、「いいことあるよ」、つまり「人生はあなたが思うほど悪くない」です。歌詞としては完璧ですが、心理学的には逆効果です(Bosson, J. K., et al. (2009). Inaccuracies in Folk Wisdom: Evidence of a Spilled Milk Fallacy. Unpublished manuscript, Department of Psychology, University of South Florida, Tampa, FL.)。

なぜか?慰められた方の耳には「そんな小さなことで悩むな」、「深刻に悩むほどのことではない」と聞こえるからです。「え、あたしつまらないことで悩んでいるの?」、「悪いの私?」。不運なことプラス悩まなくていいことに悩むバカな私という二重苦になります。

この心理メカニズムを理解すれば、効果的な慰め方はただ1つ。ちょっとしたことで悩んでいる人の悩みを人生最大の悲劇として扱ってあげることです。アフリカ難民30万人分に匹敵する世界の悲劇、ガン宣告された不幸並に同情を示してあげましょう。

そうすると悩んでいる方は自分から「いや、そこまで騒ぐほど大ごとじゃないんだよね」、「そこまで大したことないよ」と反応するでしょう。つまり「いやいやいや、そこまで同情されるほどのことじゃないから(笑)」。まさに「私の人生はあなたが思うほど悪くない」というわけです。



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