【小説】疎の時代〜金崎透の章〜
金崎透の章
J市にオフィスを構えられそうだ。数十倍とも言われる競争率に勝って、やっとオフィスビルのワンフロアを手に入れることができた。
ここは、若手の働き手が豊富だ。しかし、市内の企業に勤める決まりになっているらしく、市外の企業から求人票を出しても取り扱ってもらえない。
そこで、市内にオフィスが必要になった。
今時、若い社員を数人獲得するのにも苦労する。そもそも若手の人口が少ない。若者向け商品のバイヤーを雇いたくて、若手が入り用なのに。
年配の働き手なら十分間に合っているが、若者の視点が欲しい。
おまけに、ここの若者は働き手としては魅力的らしい。マナーもいいし、向上心もあるらしい、男女共にだ。
十分な教育を受けており、いろんな年代との付き合いがあるためと聞いている。
それでも、女性はなかなか集まらないらしいが。なんでも出産と勉強で就職が遅くなるらしい。20代の女性を雇えるかが勝負だ、他企業との人材の争奪が激しい。
まあ、なんにしてもオフィスの準備ができてからだ。
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