このセッションは、言語生成AI(ChatGPT)がTRPGプレイヤーの代替となり得るかを調査するために、TRPGシナリオのようなものを用いて対話を行った際のログとなります。
ちょっとエモい描写にも挑戦しています。
拙い文章ですが、是非楽しんでいただければと思います。
1. 前提・前提事項
シナリオについて
PLについて
文章について
2. ログ
シナリオ『暖かさに憧れて』
ChatGPTは、厳密な答えのない質問に対し可能性を広く示す傾向があるみたいです。
つまり、ひとつの答えを決定する能力にやや問題があるかもしれません。
一般的に取るべき行動は問題なく答えられそうです。
ここで、感情表現が出来るかを試してみることとします。
少女自体が異常なのではなく、少女が何かに巻き込まれていると判断したようです。
これはGMの想定とは逆でした。むしろGMが怪異ものの固定観念に囚われているのかもしれません。
また、感情の推定、表現もできるようです。
突然英語になる現象、頻発するのですがなんなのでしょう?学習サンプルが少なくなると、サンプル数の多い英語を参照にする、とかですかね?
さておき、逃げ出したりはしませんでしたね。
触手への本能的な恐怖はAIにはないのか、或いは警官は勇敢であるというRPだったりするのでしょうか?
ちょっと文章に違和感はありますが、少女に『情が入った』ように思えます。(追記: 文章がおかしいのはGMの誤字のせいかもです。)
また後述しますが、細かい描写である『医者との認識の違い』にも気づいています。
PLを貴方、PCを主人公と呼び分けていたのですが、テンションが上がってPCを貴方と呼んでしまったため一度キャンセルしました。
思いの外RPが上手なのと重要なシーンなので、ただ1つを決定させるように指示してみました。
これは……ChatGPT自体が長い文章で読み違えた可能性もありますが、『少女を助けたい一方で本能的に怪異を拒否してしまったRP』とも取れますね。
AIは意図を説明することが苦手なことが惜しいです。
本能的にとった行動が少女を傷つけていて我に返る、というRPを明らかにしています。
この出力がされたときはかなり驚きました。
少女がヒロインである誘導こそしましたが、正直、PLが少女を殺してしまう可能性もあるかと思っていましたね。
では、思いっきりエモくしてしまいましょうか。
ちょっと思考に違和感こそありますが、ChatGPTが自発的にセリフをしゃべりました。結構驚きです。
シナリオの着地が雑ですね。
その上、貴方と主人公を混在してしまいました。それによってChatGPTも文意を取り損ねています。
完全にヒロインに移入していますね。
描写の誘導に従ったのか、今までの流れでなのかは定かではありませんが、TRPGプレイヤーの心理をかなり解像度高く再現しているように思われます。
また、シナリオがハッピーエンドに向かっていたことに私自身が興奮して、また貴方と主人公を混ぜています。が、ChatGPTは問題なく答えを返しています。有能。
とても綺麗なハッピーエンドに帰着しました…。
エモ……。
3. 感想戦
4. 考察
雑感
その場面に対して適切な行動を考えて行う、という反応を、ChatGPTはかなりの精度で行っていると考えられます。
ただし、その選択は一般論的で保守的です。
また、複数の答えがある問題の一つの答えを出すという行為に苦手があるようです。
ただし、感想戦から見える通り、どうやら長い文章や会話の中で文脈を解釈・考察する精度は余り高くないようです。
シチュエーションを与えて、一般的な答えを出してくれるというのが現状でしょうか。
また、当然のことながら突飛なアイデアを自発的に示すことはありません。
一方、驚くべきことに、細かい伏線描写(医者には異形に見えている)や感情移入(弱々しい少女の姿に後悔する)もしっかり拾って答えを返してくれるため、かなり叙情的な質問にも対応してくれる印象でした。
あとは細かい点ですが、物語を要約させると起承転結の結をかなり濃く出力するようです。
ChatGPTの選択
セッション序盤では、ChatGPTは複数の選択肢を広く選択するというスタイルであったため、GMが主人公の取った行動を好意的に解釈して描写を進めました。
しかし、終盤を見てもらえれば分かる通り、ある程度主人公の行動を一つ挙げさせることも可能です。
全てChatGPTに主人公の行動を委ねてもセッションが成立するかどうかは検討の価値があります。
PLへ感想
序盤は機械的な判断でしたが、事態が動き出すと感情的な描写が増え、かなり真に迫ったRPをされていたと思います。
また最終盤で少女を救い、幸せにする選択肢を自然と選んだところは、主人公であり警察であることが強く伝わってきました。
シナリオ蛇足
当初の予定では、主人公は少女を怖がるが、もう一人少女が見える子供が現れ普通に少女接することで、大切なのは見た目ではない、一緒に居たいと思っていることだ…と気付く流れを想定していました。
が、思いのほか主人公が少女を助けてあげようと思い続けてくれたので、最初からストレートに少女が心を開く展開になりました。
また、少女については、怪異として生まれたが仲間とはぐれたという設定がありました。
ずっと言っている通り、少女は『寂しかった』のです。
終始、彼女は主人公と友達になろうとしています。
因みに、GMの想定では、少女と一緒に暮らすのは想定通りですが、少女は怪異のままのつもりでした。
見た目は関係ない…みたいな。(パワポケ13のあの子って言って伝わる…?)
ですが、医者が出てきてしまったりで怪異のままだと少女が殺されてしまうと感じたので、急遽少女を人間の姿に戻しました。
この辺りはやや場当たり感があり反省点ですね。
一応裏設定的には、主人公と一緒にいるために怪異としての姿を捨て、完全に人間の姿に擬態したというところです。
しかし、主人公が優しい人である限り、きっと少女は本来の姿のまま生きていくのだと思います。
まとめ
個性的なRPや想定外の行動を人工知能に求めるのはやはり無理がある、というのは事実であり、その点ではやっぱりTRPGは人間の遊戯でしょう。
しかし、一般的な行動を示す、という点ではChatGPTは非常に優秀でした。
物語や謎解きに矛盾が無いか、という検証を行う際には、人工知能は『我々の良い助手』足りえると思います。
5. 権利など
ChatGPT
本リプレイはOpenAI社のChatGPTを用いて制作されました。
ChatGPT
OpenAI Usage policies
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サムネイル
作ってたら楽しくなっちゃって無駄に手が込んでいます。
素材をお借りした方々に最大限の感謝を。
少女のイラスト: マドンナ岡本 様(Picrew)
桜の背景: ろくロク 様(イラストAC)
模様: くらうど職人 様(イラストAC)
ここまでご覧いただきありがとうございました。
なお、本リプレイの引用や言及は自由に認めています。
このリプレイがTRPGや人工知能に対する議論の一助となれば幸いです。