〈読書録〉セルフ・コンパッション

先日の雑誌で気に入って、取り寄せた本が届いた✨
「セルフ・コンパッション」
なるほど、
西洋では「慈悲」という概念はなく、著者であるクリスティーン・ネフが東洋の「慈悲」というものに出会い、非常に感銘を受けて研究をした、というのがきっかけのようだ。
「意識することを意識する」。
つまり、客観的に自分を見て、そこに自己批判する自分がいれば、それに向き合い、自己憐憫ではなく自分寛容になり、寄り添う。
本にはエクササイズとして、たくさんの実践例が書かれている。
例えば、自分に慈悲の心を向ける実践として、ネガティブな感情と向き合う時に効果的なフレーズなど、対処法も紹介されている。
私は、心理学療法では「エンプティチェア」というゲシュタルト療法が好きで、今では頭の中でやれるようになっている。実際には二つの椅子を用意し、問いかける側と答える側と分けて、自分一人が問いかける時はあっち側、答える時はこっち側とリアルに席に座りなおしながら、自分で答えを見出していくというもの。
このセルフコンパッションには、3つの椅子が必要で、自己批判側、批判される側、そして慈悲的な観察者という、まさに第三者をおくことによって、自分の中の寄り添い心(慈悲)を見出すというエクササイズもあり、これは私にとって、あらたな発見だった。

セルフコンパッションVS自尊心が興味深い。
自尊心が高い人は、侮辱されたも感じた時、他者に対して激しく非難することが多いという。だから無理にポジティブで居ようとして、自尊心そのものを高めようとしなくてもいい、というのがセルフコンパッションのようだ。
「慈悲」というのは、西洋人にとって大発見のようだけど、東洋人にとっては再発見になるだろうな。なぜなら、「慈悲」なんて、こういうもんだ、なんて解説されることはあまりないと思うので。
私は、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」をイメージ。蜘蛛を助けたって、糸にひとりで登ろうとすれば、みんな落ちる。これも「慈悲」関連の話だったんだな。

■セルフ・コンパッション あるがままの自分を受け入れる



2019.5.4〜5.過去ログ

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