〈読書録〉「学習する組織」入門

2017年に購入したまま積ん読をしていて、先週ふと気になって引っ張り出してきた本。
これがまた、今の自分には吸い寄せられるように気づきが湧いてでてきて、めちゃくちゃ面白い!
とある目的のためにヒントを得ようとはしていたものの、知恵のお宝が自分の本棚にあるとは。

教育活動とあるが、研修などその場で話を聞いたりワークをしたりしても、身につけるためには実戦が必要である。
接客業などでは、OJTが中心で、実戦を通じて経験を積み重ねるといったところだ。
例えば、パートやアルバイトにレジ接客を教えるときは、私は「知る→わかる→やる→習慣化」というレベル感を一人ひとりみながら、接客のひとり立ちを見極めていた。

さて、
「リーダー育成」を目的とした研修などがあり、また受講すると資格が与えられるなどあると思うが、リーダーといっても目的に合わせて何が求められるのかは変わってくるし、基礎的能力が個人の資質なのか、後から植え付けられるものなのか、今の私には実はよくわかっていない。
特に、トップリーダーの養成となると、「教育により、どのように創り上げていくか」は、もっとわからない。私にはそういう機会が無かったし、あったとしても自分には関係ないものとして、なかったことにしていたのかもしれない。

この学習する組織を読むと、「新たなトップリーダーを創るには、そのトップリーダーの素質だけではなく、学習する組織であるかどうか」がポイントであるということも一理あるとみえる。
一例をあげると、組織の目的が共有できているか、メンタルが整っているか、フォローできているか、好事例がループしているかなどなど、これらはひとつのシステムとして動いているし、動かす必要があるとのことだ。

そのシステムの一つの例をみると、
店舗でクレームがあり、担当者が対応したが、トラブルになった…というとき、

a上司が担当者に呆れて「私がやった方が早い」として上司自身が対処する場合、担当者はトラブルがあれば上司が対応してくれるという甘えの関係が生まれ、育成の機会を逃す。

bトラブルは良い機会と考え、上司が担当者に解決を任せ、権限委譲ができるようになる。

このような場合、本来は「クレーム対応の処置」が目的なのだが、「この担当者はトラブルを起こす」のように問題がすれ違っていないか??問題をすり替えていないか??といったところだ。
aの場合、なぜ上司が部下にやらせないか。部下はなぜやらないのか。ここが組織の問題であり、学習を必要とする意義である。

■ 「学習する組織」入門 ― 自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践




2019.1.19.過去ログ

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