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コロナ文学論(1)再び、言葉の時代へ



●企画趣旨

 人類は言葉を発明したことによって、人と人をつなげ空間を拡大した。同時に、世代を超えて思いをつなげ歴史を作った。さまざまな地域で独自の言葉が生まれたが、言葉の本質は一つである、個人の思いを他者に伝え、普遍につなげること。

 人間が作った社会は何度か大きな変革期を過ごした。農業をはじめた時、商業をはじめた時、工業をはじめた時など、おそらくそれまでの社会の価値観とは違う価値観を、その生活様式の変化の中で感じ取った個人は、変化の証を言葉にして文学をはじめたのだと思う。

 私たちの皮膚感覚として分かる歴史は、明治維新により日本社会の価値観が根本的に変わった時に、日本近代文学が生まれ、世界大戦に日本が破れ価値観の大変動が起きた時に戦後文学が生まれた。

 そして2020年からのコロナ・バンデミックが引き起こした情況は、古い価値観や生活様式を崩壊させようとしている。壊される価値観は、戦後社会の価値観であり、近代そのものの価値観かも知れない。そして、崩壊の現場に現れるのは、間違いなく、新しい言葉であり、新しい文学であろう。

 人々は不安と不自由の中で、孤立して生活している。政治に反発する者もいるだろうし、社会の他人に反発する者もいるだろう。しかし、同時に、自分の内面を静かに凝視している人も少なからずいるはずである。

 そうした個人の内面から出てくる言葉の価値を大切にしたいと思う。自らの言葉によって自らを新しくする人たちとの、出会いを求め、合流を望んでいる。


●具体案

1.橘川幸夫は、21世紀に入ってから「深呼吸する言葉」という、あらゆる情況、あらゆる気分を、100文字程度の言葉に凝縮する活動を行っている。深呼吸する言葉を実践するワークショップを開催する。

2.小説・批評・その他、時代の言葉による作品を「深呼吸Books」として出版する活動を開始する。私は、これからの社会は「参加型社会」になると思っているので、より、その未来につながる方法で、新しい出版文化の流れを作り出す。

●連絡先

橘川幸夫

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