欅坂46の卒業式
欅坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE in 武道館
2019年5月11日、欅坂46のワンマンライブ「欅坂46 3rd YEAR ANNIVERSARY LIVE」武道館の最終公演に行ってきた。3年間、いろいろなライブに行った時は、会場の興奮の消えないうちにレビューを書いてきたのだが、今回は、筆が重い。キーボードが重いか。
完成度の高い、よいコンサートだった。これまでのライブのように、ユニット曲やソロの曲もなく、全員でこの3年間を噛み締めるようなメドレーであった。「危なっかしい計画」から「アンビバレント」まで一気に時間が流れていく。アンコールは「黒い羊」。
しかし、サイレントマジョリティーがない。一番大切な原点がない、ということの意味が、このライブそのものを切ないものにさせていた。これは、サイレントマジョリティーから始まった第一期欅坂46の卒業式だったのではないか。
3月7日、長濱ねるの卒業が発表された。平手友梨奈を支える最も大事なメンバーが卒業する。頭の良いねるは、欅坂46が、3年という高校生活の終わりにきたことを正確に感じていたのだろう。永遠の高校生活はない。永遠のアイドルグループはない。グループとしてではなく、自分自身の人生を考えたなら、アイドルを卒業して、一人で自分自身と向かい合わなければいけないと思ったのだろう。武道館ライブで、せめて、長濱ねるから別れのメッセージを聞きたかった。一緒に別れを泣きたかった。
欅坂46は、グループとしての一体感が魅力だった。「一人でも卒業した時は全員が卒業する時」という意識に満ちていた時代は、グループ全体に迫力があった。しかし、今泉佑唯、志田愛佳、米谷奈々未が卒業し、原田葵も帰ってこない。それは新しいメンバーで埋められる時間ではないのだ。
欅坂のファンを卒業して日向坂に向かった人も多いだろう。しかし欅坂の楽曲を追いかけてきた人にとっては、日向坂の楽曲はものたりなく思うだろう。日向坂には、平手友梨奈がいない。
2019年5月1日、元号が令和になった。ああ、そうなのか、欅坂46というグループは平成という時代の世紀末を歌うグループだったんだな、と武道館の帰り道に思ったりもした。
欅坂46の3年間に、ありがとうを言おう。そして、新しい時代に向けて、一人ひとりが輝く人生を進んでもらうことを祈る。
「どろかつ」のことだけが気がかりだが、一つの終わりのためのセレモニーが終わった。あとは、数年後に、初期メンバー全員が集まって、同窓会ライブをやってくれることを期待する。
▼セトリ
1.危なっかしい計画
2.Overture
3.避雷針
4.大人は信じてくれない
5.月曜日の朝、スカートを切られた
6.エキセントリック
7.I’m out
8.Nobody
9.二人セゾン
MC
影絵
10.キミガイナイ
11.もう森へ帰ろうか?
12.君をもう探さない
13.東京タワーはどこから見える?
14.Student Dance
ダンストラック
15.語るなら未来を…
16.風に吹かれても
17.アンビバレント
アンコール
黒い羊
欅坂46を散歩して(欅坂46レビューのまとめ)
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