年末のご挨拶
人類が発明したもので重要だと思うのは3つある。宗教と政治と文学である。これは20代の半ばにロッキング・オンで書いた文章だ。最近、この文章を書いた時の気持ちを思い出している。
宗教とは、いまある「宗派」ではなく、共同体のみんなが同じものを信じる心である。共通の認識と願いがあったから、人は共同体を成立させられた。その大事な方法論が、時の流れの中で「教祖」や「組織」が権威化され、絶対化された。その絶対化された以前の気持ちを大事に思いたい。
文学とは、宗教とは対極にある、個別意識の追求である。その方法論を見つけたことによって、人類は、飛躍的に発展した。その方法論が爆発したのが近代的自我である。しかし、この方法論も、全体性に対する拒絶感から、自閉的な状況で空転しているように思える。文学がはじまった時の、まっすぐな高揚感を思い出したいと思う。
そして政治である。政治とは宗教(全体性)と文学(個別性)との間を調整する機能であろう。しかし、現状の政治状況は、世界中どの国も、調整機能のはずが、調整権力の奪い合いの光景に見える。今、必要なことは、与党であれば何をしてもよいというのではなく、ただ与党を批判することが業務になっている野党ではなく、与党と野党の間に入って調整する機能が、本当の政治というものではないのか。
2019年は令和元年。日本は明治からはじまった日本近代の展開を平成の時代とともに終わらせた。いよいよ、近代のその次の時代の幕開けがはじまる。国際交流の大きな流れの中で、人類の新しい夢を見る時間がはじまっているのだと思う。
来年も、よろしくお願いいたします。
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橘川幸夫の深呼吸学部
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