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イコール「書評の書店」

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深呼吸書店は雑誌「イコール」の書評頁と連動しています。編集部に参加した人たちは自分で読んだ本の書評をアーカイブしてください。
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2016年12月の記事一覧

書評「まっ直ぐに本を売る」(石橋毅史・著) ISBN-13 : 978-4908087042

 石橋毅史くんから、「ロッキング・オンの時代」を読んだという手紙と、彼が今年出した「まっ直ぐに本を売る」(苦楽社)が送られてきた。「トランスビュー」という、直販で運営してきた、小さな出版社についての本である。トランスビューの社内の風景が、遠隔カメラで中継されても分からないだろうくらいに、細かく確かに描写されている。いつもの石橋くんの取材記事だ。  「本を出したい」という人は増えてこそすれ減ってはいないだろう。「本を売りたい」という人も増えてこそすれ減ってはいないだろう。印刷

書評・明治商売往来 ISBN-13 : 978-4480088055

 先日、神保町のランチョンで菊地くんたちとランチをする前に、古本屋を覗いてみた。神田の古本屋街は古本を探しに高校生の頃からよく行った。生まれ故郷の四谷から都電11番で市ヶ谷抜けて神保町はすぐだった。高校生の時に天ぷら屋の「いもや」が出来た。中学・高校生の頃は、「人生劇場」「あいうえお」といったパチンコ屋にもよく行った。すずらん通りにあった「ポニー」もよく玉の出る店で有名だった。昔の東京の下町家族は、パチンコや、花札などのギャンブルが好きだった。家で、よく親戚が集まって花札大会