ラス回避で役立つ!アシスト大全③「NAGAとの付き合い方」

こんにちは。髙倉拓馬(メタビート)です。
アシスト大全ももう4作目になります。前回までの記事をご覧になった方々、本当にありがとうございます!いつも感謝しております。
今日は「NAGAとの付き合い方」というテーマでやっていきます。
今回は今までよりもさらに個人的な意見がガンガンに入るので、こんな考えもあるんだな~程度で読んでいただけると幸いです。
有料ですが全ての記事を無料で読めます!この記事が良いと思った方は、ぜひスキとサポートをお願いします。今後の励みになります。

打牌判断の優劣と、その数値を可視化できる麻雀AIの登場

1年ほど前に、天鳳特上卓東南戦において、天鳳位の一歩前である十段を達成した麻雀AI「NAGA」による牌譜解析がリリースされました。
NAGAの解析データを見たときの衝撃は多くの人が受けたのではないでしょうか。何しろ
自分より麻雀が強い可能性が高いAIが、自分の打牌選択、牌の危険度、他人のテンパイ率、そして自手のアガリ率や平均着順に至るまで、あらゆる項目を数値化している
のですから。あのいかにもAIに解析されてる感は、ハマる人にはたまらないと思います。

NAGAの解析データ。円グラフがテンパイ率、上に伸びている紫のバーが打牌選択。
下のバーは各牌の危険度。色は円グラフの色と対応している。
ともかくあらゆるものが数値化されていることがわかる。


かくいう私もNAGAにはまってしまった人の一員であり、今でもたまに自分の牌譜を解析しますし、そのデータを基に検討グループでも検討を行ったりしています。
私は何半荘かNAGAのデータを見て、これは参考になる!と思ったところと、ここはAIもそんなに強くないな、と思ったところがありました。

NAGAから参考にするべきところ

アガリ率の数値判断
・あがれそうな手での手組み判断
・1副露目の鳴き判断

NAGAが不得手だと思ったところ

仕掛け読み
アガリ確率が低いときの打牌、鳴き判断(特にトップ目)
・ラス回避の意識


NAGAを参考にすべきところ

まずは参考にすべきところから見ていきます。

・アガリ率の数値判断

今まででこれを可視化するのは、特に2シャンテンより悪い手牌の時には難しかったのではないでしょうか。NAGAが合っているかどうかを検証できないので正直分からないのですが、自分より強い可能性の高いAIがこれのアガリ率は〇〇%だよと言ってくれるなら、参考にしてみる価値はありそうです。
AIがこの数値を与えてくれたことが、対局中もおおざっぱに自分のあがり確率を見積もるきっかけになったという点で、自分は参考になったと感じました。

・あがれる手にするための、序中盤での手組判断

やはりここが麻雀の着順に一番直結しやすいでしょう。手なり手順、役牌と19牌の切り順、打点を付けに行く打牌選択など、とにかくあがれる手にするための技術が詰まっていると思います。ここはかなり参考になると思います。

・1副露目の鳴き判断

リーチで打点を見るときは鳴かない、すでに打点があるならどんどん鳴く、打点がないときも役牌鳴きはさぼらないですし、役バックの仕掛け出しも面白い局面を何度か見てきました。2副露目以降は割となんでも仕掛けるのですが、1副露目は基準を見つけるのが面白いので、ぜひ見てみてください。



NAGAが出た当時、大学の後輩と検討したときの画像(本人から許可取得済)
古いスマホのデータを漁ったら出てきた。
当時すごく驚いたのを今でも覚えている

正しいかどうかはさておき、

・どうせ後で南を鳴くなら今このリャンメンを埋めてもよい
・メンゼンの打点が高くなるとは限らない

こういう時にリャンメンから役バックチーをする引き出しを与えてくれました。

NAGAが不得手だと思ったところ

次はNAGAが不得手だと思ったところを見ていきましょう。

・仕掛け読み

NAGAは仕掛けに何が通せるかや、○○待ちほぼ一点であるといった読みは苦手なように感じます。このあたりは、まだAIよりも人間に分があるように感じます。

・アガリ確率が低いときの打牌、鳴き判断(特にトップ目)
・ラス回避の意識

NAGAに配牌から降りるという発想はないといっていいでしょう。自分のあがり確率をいかに、低く見積もっていても、とりあえず自分の手牌のアガリ期待値が上がる手牌構想を見せ続けます。そして、自分の手牌を見限る瞬間が現れたら、特に考えずオリ、合わせ打ちの連続をし続けるのです。
NAGAはこの「自分の手牌を見限る瞬間」が若干遅いように感じます。
ギリギリまであがりを見る思考やオリ方は参考になる場面も多いのですが、特にトップ目の時や絶対に放銃したくない状況においては、「別にわざわざこんなリスクのある手組みをしなくてもいいだろ」ということもありますし、「上がらせても別にいい人に頑張ってもらってもいいのではないか」とも思う場面がちらほら見られます。

NAGAと付き合う上で大切なこと


結局のところ、NAGAは「自分の平均着順を上げることでラス率を下げる」ことを重要視していると私は感じました。一方で、ラスを回避するためにNAGAが何かをやっている、ということはそこまで感じられませんでした。そのため、自分の平均着順を上げるためにNAGAが選択している打牌はどんどん参考にしていきながら、ラス回避をするための努力をしていくことが、NAGAと付き合っていく上で大切なことだと私は考えています。

NAGAと付き合っていきながら、アシスト力を鍛えていく

ここからが本題になります。
それは「その大切なことって、どうやって達成するの?」という疑問です。
せっかくここまで参考にすべきところや不得手なところを考察したので、これを生かして、自分なりにさらに考えてみました。

アガリ確率が見えることを生かす 配牌10%未満と2段目5%は考えどころ

和了確率が見えることを生かしていくのが大切そうです。要は

「あがれそうな手のとき(あがれそうになったとき)はNAGAを参考にする」
「あがれなさそうな手の時や手牌価値が全くない時、無理にあがりにいく状況でない時には、アシストや絞りなど、色々できることがないか考える」
これらの基準としてNAGAのあがり確率を使っていくことが重要だと考えます。

この「あがれなさそうな手」の判断基準は、

配牌であがり率10%未満
2段目突入時のあがり率5%未満

くらいになってくると思います。
この感覚を養っていくと、「自分があがれない時」がなんとなく分かってくるのではないでしょうか。そして、アシスト大全で書いたことが最大限生かせるタイミングになると思います。

NAGAの選択と自分の選択の一致を目標にしすぎない

NAGAを使っていると、どうしても選択を一致させたい、NAGAに近づきたいと思いますよね。事実、最も強いAIの一つに君臨していますから、NAGAを再現出来たらきっと成長していると思います。
しかし、先ほども書いた通り、NAGAの超得意分野は「データ」「アガリへの嗅覚」であり、それ以外にはまだまだ人間も戦えるところがあると考えます。つまり、NAGAと自分の選択が一致していること=麻雀の正解、とは必ずしも言えないということです。
一致率を目標にして使うだけでなく、
・自分が気になった場面をチェックする
・NAGAと自分で大差がついてしまった選択を検討
・単に様々なデータを見る
といったふうに使ってみることも、自分自身の麻雀を成長させる方法になるのではないでしょうか。
余談になりますが、アシストをするとNAGAには大体強い口調で否定されます。そのときに落ち込みすぎないようにしてください(笑) 和了率が5%未満なら割と何をやってもいいと思っています。

さいごに:NAGAはオススメです

ここまで「NAGAとの付き合い方」という記事を書いてきました。
NAGAの不得手なんてものも書いていますが、僕自身NAGAは大好きです!いつも参考にさせていただいています。アガリを狙う打牌選択はすごく参考になりましたし、去年と比べて自分が強くなったと確信しています。
なので、NAGAを買っていない方は今からでもオススメできます!ぜひ登録してみてください。
既に購入済みの方は、こんな視点でNAGA解析を使うというのもありなんだということを知っていただければ幸いです。
配牌10%未満、2段目5%の手牌とはどのようなものかについては、また後日問題形式で記事を書かせていただきます。自分の解析でチェックしながら、そちらをお待ちください!

次回のアシスト大全は理論の最終回➃「絞りはアシストの逆をやれば全部解決」です。並行して問題形式の記事も作成します。ぜひご覧ください!!


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