『シン・仮面ライダー』や『シン・ウルトラマン』などの考察,2024年10月4日
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注意
これらの重要な展開を明かします。特に、PG12指定の映画『シン・仮面ライダー』及びその漫画版にご注意ください。
特撮映画
『ウルトラマンギンガS ウルトラ10勇士』
『シン・仮面ライダー』
『シン・ウルトラマン』
特撮テレビドラマ
『ウルトラマンギンガS』
漫画
『真の安らぎはこの世になく シン・仮面ライダー』
小説
『AΩ』(小林泰三)
『シン・仮面ライダー』のコウモリオーグなどについて
『シン・仮面ライダー』漫画版『真の安らぎはこの世になく』で、コウモリオーグの事情が少しずつ判明しました。
敵対する緑川弘によるバッタオーグにヴィルースが効かないこと、サイクロンが飛べることを知らなかったのは、慢心による調査不足という意見もあったようですが、そもそも緑川弘が記録をあらかじめ破壊していて、断片的な情報しか得られなかったのをコウモリオーグも自覚していたと分かりました。
これは単に緑川弘が「用意周到」だっただけで、コウモリオーグの力不足とも言えないかもしれません。
しかし、コウモリオーグの倫理的な最大の問題は、研究不正を押し付けられた、緑川弘に研究を開示してもらえなかったなどの怒りと、無関係な人間を多数ヴィルースで死なせたことがいまひとつ繋がらないことです。
「ワシを嘲笑った愚民ども」、「今度こそワシが貴様らを見下す番だ」とは言うものの、それだけで一般人をヴィルースで殺すのはあまりにひどいというのが一般的な考えでしょう。そもそも研究不正を押し付けた人間に一般人もだまされたわけですし。
この辺りに、自分個人の被害と、周りの一般人の被害の繋がりを考えないショッカーらしさがありそうです。
また、ショッカーの観測用AIのケイは、本編で「やはり、人間は面白い」と言い、コウモリオーグの戦いでもルリ子に「面白い」と話していましたが、その感情を自らどこまで認識していたか曖昧です。
『ウルトラマンギンガS』シリーズは、顔の見えないロボットは平然と破壊しながら見えるロボットのワンゼロにはアリサが手加減する、ワンゼロ=マナが体の破壊の前にデータを移し替える、2人の「ヒーロー」の合体など、『シン・仮面ライダー』での本郷が人を殺すときに顔が見えるハチオーグの操作のときは配慮する、ルリ子の「データを移す」、第2+1号などに似ています。
そしてワンゼロ=マナも、自分を「変化も成長もしない」と断定しつつ、明らかにそれ以前に変わっていたのが、ケイのように自覚出来ない問題なのかもしれません。
また、個人的に気にしていたのが、コウモリオーグが逃げるのをケイがどう観察していたかです。
双眼鏡で見ていたとしても、コウモリオーグが飛べる以上はいつ見えなくなるか分からないので、ケイは走るなどで追いかけながら観察していたのかとも考えました。
これは外れたようです。
『シン・ウルトラマン』と『AΩ』
『シン・ウルトラマン』で、ゼットンは1テラケルビンの火球で太陽系ごと滅ぼせるのですが、個人的に物理的な観点から考えていたのが、その質量です。
『空想科学読本』で、『ウルトラマン』のゼットンが1兆度の火の玉を出せるならば、直径と持続時間から、膨大なエネルギーのために、反物質と物質の半々でも地球を上回るほどの質量が必要になるという記述がありました。
『シン・ウルトラマン』のゼットンもそうなのかもしれませんが、ならばその質量からの重力だけで地球を破壊出来る、そもそも衛星軌道上に乗らずに逆に地球を振り回す可能性があります。
そうならなかったのは、劇中のゼットンは全体からみてごくわずかな部分、潜望鏡の三次元版のようなもので、質量のほとんどを劇中設定の特殊な空間に収納していたためではないかとも推測しました。すると、プランクブレーンによってウルトラマンがゼットンを追放したのは、元々別の空間に収納されているゼットンのほとんどを弾き返して、二度と元の空間に出て来られなくしただけなのかもしれません。
『AΩ』では、重力以外では通常の物質と反応しない超対称性粒子による「影」という何者かが地球に、小さな装置を送り込んで干渉しますが、実は重力波を出すほど巨大な存在で、劇中で観測されていたのはごく一部の「機動要塞」だったと判明しました。それを破壊したのは、「影が我々に干渉出来ないようにした。相手からみれば我々の方が消滅したとも言える」という表現でした。
この設定を『シン・ウルトラマン』でも意識しているのかもしれません。
ウルトラマンの要素を持ち、登場人物の蘇生から災いが始まるなど、『AΩ』と『シン・ウルトラマン』には様々な共通点がありますが、最後の物理的な仕掛けにも、何かの考察の余地を見出せるかもしれません。
参考にした物語
特撮映画
坂本浩一(監督),小林雄次ほか(脚本), 2015年3月14日(公開),『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』,松竹メディア事業部(配給)
樋口真嗣(監督),庵野秀明(脚本),2022,『シン・ウルトラマン』,東宝
石ノ森章太郎(原作),庵野秀明(監督・脚本),2023,『シン・仮面ライダー』,東映
漫画
山田胡瓜,藤村緋二,石ノ森章太郎,庵野秀明,八手三郎,2023-,『真の安らぎはこの世になく-シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE』,集英社
特撮テレビドラマ
坂本浩一ほか(監督),小林雄次ほか(脚本) ,2014年7月15日-12月23日(放映期間),『ウルトラマンギンガS』,テレビ東京系列(放映局)
小説
小林泰三,2004,『AΩ』,角川ホラー文庫
参考文献
柳田理科雄,1996,『空想科学読本』,宝島社
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