ゆめうつつ
月明かりの射す路地裏に
静かにゆっくり座り込む。
耳鳴りが止まない。友達のねずみと2人きり
頭の中から消えない
鈴の音のようなあの子の笑い声と
毎晩耳に鳴り響く
雨の音のようなあの子の泣き声。
何も出来ないまま春が来て
冬が終わった1年前。
高い所から他界した
嘘だと思った去年の話。
あの時に助けたいと胸を張って言えていたなら。
あの子は隣に居ただろうか。
今も隣で生きていただろうか。
強く鳴り響いてネズミの声も聞こえない夜。
ただうずくまり、呟き続ける懺悔の言葉。
ただ許しを請い、囁き続けるだけの夜。
あと何度 後悔したらいいだろうか。
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