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いままでありがとうございました大河ドラマ。そして、さようなら

2024年大河ドラマ「光る君へ」を半年視聴いたしました。

始まったころはとても期待していて、平安時代に取材した自作の歴史小説なども宣伝させていただきました。ありがとうございます。

しかし、このドラマのコンセプトと一視聴者としての情緒が噛みあわず、とても苦痛になってきてしまいました。

それは例えば……大好きなケーキだと信じて口に入れてみたら、見かけはクリームたっぷりでも中身は砂だった! という驚きと悲しみ、怒りに近い困惑とでも言いましょうか?

吐き出すところを探し求め、口にふくんだままジャリジャリと砂を咀嚼しているみじめさを想像してみてください……。

2024年6月30日放送の26回「いけにえの姫」ですか。

 長女・彰子を一条帝へ入内させる決断までの道長の迷いが描かれていましたね。(そこ左大臣が迷う? ないない byオウムの声)

天災が国の統治者の不徳のせいで起きる……という思想(迷信)は江戸時代まで続き元禄年間の「生類憐みの令」にも影響をおよぼしたほど。

 だから、この思想自体は別にツッコミを入れる必要はありません。

 問題は陰陽師・安倍晴明が「一条帝の後宮を清めるために姫を入内させなければなりません」と進言していること。(陰陽師は影の支配者?)

 あくまでも藤原道長を「無欲な権力者」と描くなんて。

 前回まではちょっとした表情の変化で「政治家の自覚」を表現していたはずなのに、(役者さんの名演技で)今回は主体性がなかったように思います。(そういう脚本だから仕方ないのでしょう)

 それに彰子の無気力さはなに?

 入内後に「源氏物語」を通して一条帝に愛され、息子たち(後一条帝と御朱雀帝)のために内裏で君臨する「強い女院に成長」を描くためだとしても、両親に大事に育てられた姫とは思えない演出でした。

 こうした登場人物の言動とキャラ設定への違和感がどうしても足枷となって入り込めません。

……歴史ドラマに恋愛要素を強調するのは別にいいけど、実像をゆがめているし、セリフと行動の整合性がとれない、あるいは唐突すぎる展開が致命的。

きらびやかな平安貴族の恋愛ドラマを楽しむことができない身の上としては、道長に善良なラッキーボーイから大人の政治家に変貌していく過程を期待していただけに、とても残念です。ブラック道長へいつ脱皮するのやら?

とりあえずいままで、ありがとうございます。
美男美女の恋愛、カッコイイ決め台詞、きらびやかな衣装、リアルなセットなどなど……ある程度は楽しませていただきました。

次回は「宿縁の命」ですか。

一条帝と定子中宮とのあいだに男児(敦康親王)が誕生。

ヒロインまひろも(たぶん道長との逢瀬で)懐妊し、賢子が生まれるのでしょう。

そして夫・宣孝の死。

……といった流れが描かれるかと推察しております。

とりあえず次回の7月7日は都知事選で休止とのこと。

後半盛り上がるでしょうけれど、個人的には「視聴しなくてすむ」とホッとしております。もう録画タイマー予約は削除いたしました。

月曜日に再放送されている「篤姫」を視聴して心を癒します。

砂を噛むジャリジャリの余韻はしばらく残りそうなので……。

ふと思うのは……テレビは視聴者をどこへ導こうとしているのかな? ということです。

ドラマを無条件に信じた若い人が、恋愛至上主義の危険思想に染まらないよう祈るばかりです。(ないない だいじょーぶ byオウムの声)

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