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引き寄せの法則でとんでもないものが飛んできた話

引き寄せの法則と書いといて、引き寄せの法則の話ではない可能性があります。あることについてなんとなしに思ってたら、それがイチローのレーザービームばりにピンポイントで自分に飛んできた話です。

僕は少し前から音声配信をやりたいなと思っていました。最近スタンドエフエムみたいに誰でも簡単に音声配信ができるプラットフォームがでてきて、音声配信のハードルが下がってきたのもあります。

僕はもともとオーディオブックやポッドキャストのような音声メディアが大好きでした。僕の一番好きなプログラムに、イギリスのBBCが80年!近く続けている超長寿ラジオ番組Desert Island Discs(無人島レコード)があります。無人島に行くのであれば持っていきたい8枚のレコードをゲストが選び、ホスト役がインタビューを行いながら、その合間で選んだ曲をかけていくという構成になっています。ゲストにはミュージシャン、アーティスト、作家、政治家、デザイナー、歌手、ビジネスマン、基本的にあらゆる人が登場します。日本人の我々にとってなじみがあるゲストは、例えばオノヨーコ、作家のカズオ・イシグロベッカムとかでしょうか。

会話の合間に流れる曲が良い感じのアクセントというか、休憩の役割も果たしてくれて、聞いていて疲れてくるということがありません。だいたい40分くらいのプログラムですが本当にあっという間で、簡単に数エピソードくらい聞いてしまえます。もともとは英語の勉強の一環で聞き始めたのですが、すぐにそれとは関係なく、ただ楽しくて聞くようになっていました。数年前に過去のアーカイブ音源が利用可能になり、3,000近いエピソードがポッドキャストで聞けるようになっています。映画監督のヒッチコックが1959年にゲストとして登場した時のエピソードなんかも聞けちゃったりします。古いものはもちろん音質はあまりよくないですが、それはそれでとっても味があります。

僕はこの番組が好きすぎて、たぶん今までに1,000エピソードくらい聞いていると思います。この番組のおかげでクラシック音楽を聞き始めましたし(多くのゲストがクラシック音楽をチョイスします)あらゆる時代のあらゆる人の個人的な物語を通して、いろいろと考えることが多くなりました。

で、ここでようやく本題に戻るのですが、音声配信をやろうと思った時、僕の頭には自然とこの番組が浮かびました。そして、こういうインタビュー形式の音声配信をやりたいなと思いました。さらにそれを英語でやればいいんじゃないかと(無謀)。英語にしようと思った理由は、自分が超ぺらぺらに英語がしゃべれるからというわけではなく、今まで日本語の音声メディアをほとんど聞いてこなかったので、日本語の音声配信のイメージが持てなかったというのがありました。あとは、これ重要ですが、英語をしゃべっていると別人格になれるので、配信なんて大それたことをやるにはそっちの人格に任せた方がいいのではないかという考えもありました。

ただ、僕は今ロシアに住んでいて英語を使う機会がほぼ無く、だいぶ英語がさび付いている感じがありました。じゃあちょっとブラッシュアップしようと思い、オンラインでの英会話レッスンをすることに決めました。適当なサイトでイギリス出身で感じの良さそうな中年の男性の先生を見つけると、さっそく予約をしてレッスン当日になりました。

簡単に自己紹介して趣味の話になると、僕は「ポッドキャストを聞くのが好きで、特にBBCのDesert Island Discsが好きなんだ」と言いました。
すると彼の口からにわかには信じがたい言葉が発せられました。

「あれ?サイトのプロフィールに書いてたっけ?僕は前BBCに勤めてて、Desert Island Discsの構成作家してたんだよ」。

( д) ゚ ゚

もう目玉4個くらい飛び出ました。

彼(ダニエルさん)は15年ほど前まで番組の構成作家をしていて、ゲスト候補のリサーチや、ゲストへのプレインタビュー、台本の作成などを行っていたそうです。イギリスの元首相のトニー・ブレアや日本人ピアニストの内田光子にプレインタビューした時のことを話してくれました。イギリスでは知らない人はいない(放送期間と認知度でいけば日本の笑点みたいなものでしょう)番組が、インタビュアー、構成作家とディレクターのほぼ3人のみで作られているというのも彼が教えてくれた衝撃的な事実でした。

ということで彼とのレッスンは続いているのですが、当初の音声配信の準備としての英語のブラッシュアップというのはどこかへいってしまい、なぜかその代わりに短いショートストーリーを書き始めました。これは彼が後押ししてくれたのがきっかけなのですが、この話を書くとまた長くなるので、今回はこの辺にしておきます。ということで「何かを想う時には気を付けよ、それが叶うかもしれないから」という誰かの言葉を思い出すような不思議な出来事でした。

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