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地方でのチームの存在価値

※※こちらに書いている内容は、あくまで個人の意見です※※
※※さら~~と読み流してください。※※

前回の続き。

ミネルバ宇部(宇部市を本拠地とする女子フットサルチーム)の活動理念は、「スポーツを通じてできること」

私がチームに関わるようになって、トップリーグに昇格することになったときからずっと常に頭にあること。
それは、「価値」をあげることでした。

女子フットサル界に詳しい方はご存知だと思いますが、女子フットサル選手のおかれる環境は決して良いとは言えるものではありません。
働きながら、多くのものやことを犠牲にしながら、それでもフットサルが好きだ。という理由で目の前を一生懸命に過ごしています。
さらに、それが地方になると関東よりも、もっと周りの理解はないように感じます。

ですが、一方で、選手は好きなことができる。という恵まれた環境にあることも事実です。

言葉を選ばずにいうと(誤解があるかもですが、、、)
選手の「フットサルが好き」という想いを搾取することで成り立っている業界だと感じていました。
いわゆる「夢を搾取する」というモデル。

それは違うんではないか。そこがチーム理念の原点です。

そして、チームを、業界を、知れば知るほど思うことは、さらに搾取モデルになっているのは、運営側にあると思うようになりました。
チーム運営に関わるスタッフは、それで生活ができるレベルではありません。
最近は大学でもスポーツビジネスを選考するコースが存在するくらい人気になっていますが、それを目指すと、収入はなかなか厳しいものがあるのが現実です。

つまり、選手も運営もフットサルが好き。で成り立っていること。
それは、持続可能な運営ではないですよね。。。

前置きが長くなりましたが、そうやって考えたとき、何かできないか。をずっと模索していました。
海外選手が移籍してきたら、色んな意味でチームの存在価値はあがるのではないだろうか?漠然と思っていました。
すでに男子リーグでは、実績もありましたし。

そんなときに、監督の旧知のお友達に、「海外選手の獲得ってどう?」と言われたことが、この物語のスタートでした。
お名前を出していいのかどうかわからないので、今回は伏せますが、、
(ご本人の許可が頂けたら、、、笑)

ですので、今年1月。その方と監督が久しぶりに再会したこと。
これはチームの運命を大きく変えたわけです。笑

そこからです。すべては。
まず、一番は費用が捻出できるか。が課題です。
既存のスポンサー、行政、あちこちに相談に行きました。
幸い、宇部市の文化なのか(笑)、新しいもの好き。流行りもの好き。が多いのか、あっという間に費用の捻出はメドが立ちました。
あ~、また廣田さん、ぶっ飛んだこと言い出したねぇ。。と皆さんに笑顔で受け入れて頂き、感謝しかないです。ありがとうございます。

そして、そこから。選手を探していただき、色んなイレギュラーがあり、あれこれごちゃごちゃしながら、なんとかこの時期に来日が叶いました。
女子では前例がなかったため、手続きに時間を要したこと。
選手の選定においては、競技のみではなく、チームの活動理念を理解してもらうこと。などの条件で探して頂きました。

開幕に間に合うのが一番望ましかったのですが、今回、大幅に遅れてしまいましたが、まず一つ、実現した。ということです。

フットサル経験のない私にできることは少ないですが、
チームの価値をあげること。これが一番最初にすることだと考えています。
日本女子フットサルリーグの中での地方チームの価値。
住んでいる地域でのチームの価値。
選手の生活の中でのチームの存在価値。
そして、ミネルバ宇部があってよかった、と街の人に感じてもらえるチームづくり。
それが、これから先、フットサルを目指そうと思うすべての人へ繋いでいけることではないか、と私は思っています。

どうして、こんなことを書いたのか。
ある意味、予想通りですが、ミネルバ宇部のような弱いチームがなぜ海外選手を獲得する。という方法で補強をしたのか。まずもってやることがあるんじゃないか。
というご意見をたくさん頂いたからです。

おっしゃる通りです。

持続可能なチームにしていくためには、競技力という側面では、育成が大事です。日本の選手がフットサルをやりたい、続けたい。と思う環境づくりが一番大事なことは、十分理解しています。
もちろん、それが理想ですし、その側面もしっかり取り組んでいます。
今回は、ドーピングみたいな感覚です。花火をあげる。とも言いますが。。
そのために、大きなきっかけを作れたと思っています。

また、女子フットサル界に詳しい方には常識かもしれませんが、現在、女子フットサルは、地方チームがトップリーグで活動を続けることは、関東のチームの何倍も大変な状況にあります。
運営の側面でみれば、資金面。これは圧倒的に違います。地方チームは関東のチームの4倍の費用が掛かります。当然、同額の予算を持っていれば、関東チームは強化にまわす資金の余裕は生まれるでしょうが、地方チームにはその費用を捻出することは、難しいのが現実です。

選手の側面でみても、認知度がなかなかあがらない。試合を見てもらえる機会が少ない。試合への往復は時間も体力も奪われ、その状態で試合をすることが普通であること。などなど書き出したらキリがないくらい。笑

私は、当初から、リーグ内での順位や強度、競技力にはあまりこだわっていませんでした。もちろん降格ルールがあれば、強化に予算を割くことも当然だと思いますが、現状では降格ルールはありません。
それであれば、限られた資源の中で、何を最優先にするかを考えた時、
やはり、まずは価値をあげていくこと。そこではないかと考えています。

今回の海外選手獲得をきっかけに、資金面、選手の環境、フットサルの認知度、街へのチームの存在価値。
色んなことが加速するのではないかと信じています。

当初は、そんなことを思っていましたが、実際にブラジル選手が来て、自分が思っていた以上に、色んなことにプラスの効果が出て、自身がびっくりしているくらいです。

ミネルバ宇部の選手は、今、毎日、ブラジル選手と一緒に練習し、ごはんを食べ、遊びに行き、なんとなく会話をして。
本当にみんな楽しく過ごしています。フットサルをしていて繋がった縁。

改めて、ご尽力いただいた関係者の皆様、すべてに深い深い感謝を申し上げます。ありがとうございます。

そして、勇気をもって来日してくれた2人。
ドゥーダとミカ。本当に本当にありがとうございます。

フットサル界、宇部市、ミネルバ宇部、(そして私も。)
人生最高の出会いを与えてくれた、すべての皆様に感謝します。
ありがとうございます。



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