【現代表記】福沢諭吉「西洋事情」(1787年議定せる合衆国の律例 第1条 第5類)

底本には小泉信三監修『福澤諭吉全集』第一巻(再版)所収の「西洋事情󠄁」を使用した。


第五類

両院の議事官は、其同僚の人を撰挙し、或は之を撰挙するを拒み、或は其人物を議論するに付き、同説の多きに従て事を審断すべしと雖ども、異説のものは直に之と雷同するを要せず、法を犯すに至らざれば其持論を主張して可なり。

上下両院各々其局内の規則を設け、此規則に背く者は之を罪す可し。但し之を議論するとき、議事官総人数の内、同説なるもの三分の二に至れば、其同説に従て一員を放逐すべし。

両院各々日記を作て院の議事を記し、秘密の事件に非ざれば時々之を布告すべし。

議事官集会の間は、両院相互いの承諾あるに非ざれば、事を議するに三日以上を延引す可らず。又定たる議事院の外、他所に於て商議するを許さず。


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