【現代表記】福沢諭吉「西洋事情」(1787年議定せる合衆国の律例 第1条 第2類)

底本には小泉信三監修『福澤諭吉全集』第一巻(再版)所収の「西洋事情󠄁」を使用した。


第二類

下院の議事官は国民一般より撰挙し、国民の名代人として、職に在ること二年を限とす。

年二十五歳に満ち合衆国の戸籍に入て七年を経る者に非ざれば此撰挙に当たる可らず。

諸州より下院の議事官を出だすの員数は、分頭税と同様の割合にて、州民の衆寡に由て異なるべし。諸州人口の数は、此度定議の後、三年の内、会計し、爾後は十年毎に一度改計すべし。議事官の数は州民三万に付き一人の割合より多くすべからず。但し一州より少くとも必ず一人は撰挙すべし。

各州より撰挙したる議事官の内、欠員することあれば、其州より令を出し、不時に人を撰挙して其欠位を満つべし。

下院の議事官は、其官員の内より上席の者一人及び他の主役を推挙し、又諸有司の過失を論じて之を廃黜するの権ある可し。


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