欲求段階説の科学的解明について

突然ですが、今日から日々の研究をここに書いていこうと思います。
かなり乱雑に書いていきますんで、興味のある方だけお読みください。
本ごとにテーマ分けしてきます。
第一弾はこれ。

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A・マズロー博士の研究を考察し、研究していたフランク・ゴーブル氏の「マズローの心理学」です。
この本自体はA・マズロー博士が書いた訳ではないですが、欲求段階説について非常に鋭い考察の述べていて、A・マズロー博士の本よりも要点がまとめらえていて非常に読み易い本です。
欲求段階説説に興味がある、という初心者の方にもオススメの一冊です。

この本の中でまず最初にマズロー博士の生い立ちを説明すると共に心理学の世界における著名な学者を紹介しています。その中でマズロー博士の立ち位置やその根底にある人間に対する深い愛情など、他の心理学者とは一線を画す存在であることを説明しています。
その中でも特に重要な点がここ。

「健康心理学的」(Eupsychain)
誰からも邪魔されない安全な島にいる1,000人の自己実現的人間によって引き起こされた文化、また心理学的健康への前進

という造語を紹介しています。
非常に面白い造語です。私もこの造語が意味するところが非常に好きで現代における文化や習慣というのは非自己実現的人間たちによる病的なまでのヒステリックさであったり、過剰に反応する人間を避けるためのルールなどが目立ちます。ある種、人の行動を抑制するルールなどは非自己実現的で自己中で破壊的な人間の行動を抑制するためにあるのではないかと思えるくらいです。
そういう意味で言えば現代における文化的抑制などは健康心理学的ではないと強く思います。なので私も納得したものしか従いたくないですし、俗世的な文化的集合体には属したくないと常々思っています。
(自己実現者は特に独自の文化を持っているのでその傾向が強くなります)
(だいたいの文化が健康的ではないですしね)

またこの中で非常に鋭い指摘をしている一説を紹介します。

「もし、人が狂人・ノイローゼ患者・精神病者・犯罪者・怠け者・精神薄弱者の研究に関わることに魅了されたら、人類に対して彼が抱く希望はいやおうなしに、ますます質素に、ますます”現実的に”ますます卑小になり、人々から期待する事はますます薄れていくだろう。身体障碍者、未熟児、病人などの見本ばかりを研究していると、かたわの心理学やかたらわの哲学しか作り出せないということは、ますます明白になっていきてる。自己実現をしている人々についての研究は、もっと普遍的な心理学の科学的基礎になる」

この考えこそ、私が彼の心理学を真に学ぼうと思ったもっともな動機でもあります。
多くの心理学は病理的な精神の発生条件を洗い出したり、その精神がどのようになっているのかなど非常に病理的な観点からの考察が多く見受けらえれます。これについて彼は先の一説において「それは片面しか見ていない」と指摘しているのです。もちろん、心理学において病理的な状態を研究することも非常に重要なことなのですが、これについて彼の言葉を借りて別の言い方をするのならば

「人の精神の健康を理解するまでは精神の病気を理解できない」

としています。
そして多くの心理学者は最良の人間より劣等な人間を観察することによって、人間の本性に関する結論を得ていた、ということ指摘しています。

冒頭のここだけを抜粋しても彼が如何に他の心理学者とは違う視点を持っていたのかが伺えます。いやー本当に凄い。

この本のP.36の時点においては自己実現についてこう述べています。

「自己実現とは、才能、能力、可能性の使用と開発である。そのような人々は、自分の資質を十分に発揮し、なし得る最大限のことをしているように思われる。」

また、消極的な基準としては心理学的問題、神経症あるいは精神病への傾向をもたいない事が挙げられるとしています。
自己実現した人は、人類の中でも最良の見本、後年マズローは「成長している先端」と名付けるようになった者の典型であるとしています。

まぁちゃっと冒頭を説明しただけでもこれだけの示唆に富んだ内容を含んだ本なのでここから先は更に濃くなっていきます。

私自身も欲求段階説については常々仮説を立てては検証している最中ですので、この本を介して色々と紹介していければと思います。

まぁ多分、読む物好きなんてほとんどいないとは思いますがね。笑

とりあえず今日の所はここまで。

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