日本製について
日本製、といっても、ここでは繊維や衣類について書きたいと思います。
日本製と言えば、多くの日本人が他国の製品と比較して思うのは、品質がよいとか、仕事が丁寧とか、ともかく高品質を思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん、そうなのですが、最近はそればかりではない側面もあります。
理由は、外国の品質の向上です。
結局のところ、ミシンでの縫製は、数多くこなす方が上手になるのは当然。
大量生産で数をこなしていけば、品質は向上、安定します。
しかも、最近ではアリババなどオンライン上で海外の大きな工場と直接取引でき、ある程度少量でもやってくれる時代になっています。
一方で、日本は、多品種少量生産が主流。
しかも、ミシンの担い手である縫子さんは、高齢の方が多い。ミシンへの投資もなかなかできない。
さまざま不利な面があります。
それでも、日本製にこだわりたいです。
うちのパンツを作っていただいているエリアが桐生、足利方面の両毛地方です。古くからの伝統織物の産地です。
私が取引させていただいた工場の中にも廃業された工場もあります。
このエリアを車で走ると、空き工場も点在しているのもわかります。
ともかく、このエリアの火を灯し続けたいっていうのがひとつ。
それともう一つ。縫製に表情がある点でしょうか。
今では、ミシンの特長や縫子さんの特長も理解しているので、やめたほうがいいパターン(型紙)や、キレイに見えるパターンがわかります。
サンプルのような一枚だけお願いする時には、どういう状態だったかまでだいたいわかります。
一枚だけ、急にやった仕事。時間があるときに丁寧にやった仕事。
ことわっておくと、一般の方にはわからないレベルですが、この製品はやめたほうがいいなとか、こういう風にして製品化したほうがよさそうとか。
話を戻すと、私が好きなのが毛抜きあわせという縫製。これは、ウエストゴムをわっかにする際に、ゴム同士の段差をなく縫い合わせる縫製です。
背中がチクチクしたりせず、見た目もキレイです。
ゴムの素材もさまざまなので、できないゴムもあるのですが、スポーツ系で真っ黒のゴムはその仕様にしています。
もっとも、毛抜きあわせは、海外でもできたりするんですけど、黒のゴムに黒の糸で縫い合わせる仕様がチクチクしない機能も含め、本当に好きです。
なんだかんだ、理由はつけてみました。
でも、これだけ、グローバル化し、日本製は海外に押されている状況です。
自分の生まれ育った国でするものづくりに、理由がなくともこだわりたい。
結局、それが一番です。
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