見出し画像

・メ酒'23所感 #1(アンチひやおろし尾花と壽限無)


・庭のうぐいす ピンクスパークリング
-山口酒造場(福岡県久留米市北野町)

赤色酵母を使用した「うぐいすスパークリングピンク」
2年ぶりのリリースで、同じく赤色酵母を使用したどぶろく ピンクと同時発売となった。'12年、'14年頃は紫黒米を使用したピンクスパークだと記憶しているが定かでは無い。
しっかりと色づいた淡いピンク色の外観に、溌剌とした泡。いちご系やチェリーのようなキュンとするチャーミングで軽快な酸味と甘味。じんわりと沁みる甘味は心地よく、蔵元の言うように、食前酒にはもってこいであろう。一度飲むと虜になる一本である。

・松の司 純米 尾花(2022(R4)BY)
-松瀬酒造(滋賀県蒲生郡竜王町)

・720ml
・15%
・精米歩合65%

反ひやおろしを掲げる松の司が、本来のひやおろしの意義である''秋の味覚に相応しい酒''を追求した「尾花」。
VTの異なるブレンド用原酒を合わせた一本。
上品で華やかな香りと、ブレンド由来の多層的な味わい。熟成感とフレッシュ感の相反する要素を行き来し、柔らかい米の旨みを運ぶ。燗にもつけたが、ひやの丸裸な、ありのままの感じが一番心地よく感じた。


・PHOTON Blackberry&Bluberry/ SMOOTHIE SOUR ALE
-うちゅうブルーイング(山梨県北杜市)

・350ml
・Abv:5%

うちゅうビールスムージースタイルを、追い始めて何本目になるだろうか。
ビールへの素晴らしい入口となってくれたうちゅうビール、そしてスムージースタイルには今でも虜である。
今作はKIMONO,GEISHAなどに通ずる些かライトめのスムージースタイルで、KIMONOのブラックベリー&シークワーサーの組み合わせも健在である。
ベリー系の厚みのある酸味と甘味。チョコレートのような深みとバニラのニュアンス。甘味は濃厚だが、シークワーサーの凝縮感のある酸味がそれを締める。
個人的にKIMONOがベリー系スムージーサワーの到達点なのではと思うが、それに追随する美味さである。


・J.R.E.A.M. Bluberry Strawberry Cardamon Glazed Donut
-BURLEY OAK(アメリカ/メリーランド州・ベルリン)

・473ml
・Abv:4.8%

→JREAM

県内のクラフトビールボトルショップを周り始めた23年の夏頃、大濠公園近くのFar Yeast Brewingが経営する BEERHOLICにて勧められた一本。
「J.R.E.A.M.(Juice Rules Everything Around Me)」シリーズという、ラクトースとフルーツを使用したフルーツサワーエール。
酒質はさらりとしており、ブルーベリーの甘やかな香り。味わいは意外にも酸味が先行しており、芳醇な甘味を飲みやすく仕上げている。後味にはカルダモンの爽やかで妖艶なニュアンスもある。カジュアルさと上品さを備える一本だが、面白さに欠ける。味わいの多様さと手に入りやすさも鑑みて、うちゅうビールで良いのでは無いかと思ってしまう自分もいる。

・若波 純米吟醸 壽限無(R4BY)
-若波酒造(福岡県大川市)

先日7/3(なみ)の日に東条山田錦を使用した純米吟醸に驚いたばかりであったが、こちらも驚きである。福岡県の酒米壽限無を使用したR4BY。
若干のガス感に、青リンゴ、青くハーバルな香り。
丸みを帯び、若干テクスチャを感じる舌触りと軽快な酸味。普段の若波と違うところと言えば、重心が少し低めなことだろうか。余韻が少し長く濃醇に感じる。
余韻に青い苦味も感じあと切れも良い。
ぬる燗くらいにすると、テクスチャもとろみを増し、甘みが際立つ。熟成耐性もありそうな完成度だ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?