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ITJ(伊豆トレイルジャーニー)70kのレポート

年末のお祭りこと「ITJ(伊豆トレイルジャーニー)」を走った。
まだ余韻が残っているので、せっかくならレポートを書いておこう。
一言でいうと「最高」だった。病みつきになる人がいるのもよくわかる。


基本情報

レース概要

距離:69.1km/累積標高差(+)3,242m(-)3,162m
スタート地点:松崎新港(静岡県松崎町)
フィニッシュ地点:修善寺総合会館(静岡県伊豆市)
制限時間:14時間(6:00~20:00)
エイド数:3箇所

https://www.izutrailjourney.com/jptop/about/

めしじまのプロフィール

今後走る方がいた場合の参考になるかと思うので書いておく。

デモグラ:32歳、男性
トレラン歴:2023年4月に初レースデビュー
ラン歴:ちゃんと走り始めたのは2023年から
山歴:低山ハイクを中心に緩くのんびりと
日々の練習:ロードでのジョグ中心(月150~200k、キロ5~5.5)
レース最長距離:55k

こんな感じ。早くもないし、遅くもないというレベル感。

レース前々日〜前日

新幹線で三島入り

まさかの土曜朝からオンライン会議が入ってしまったので、土曜入りだと間に合わないことが判明。金曜日の夜に三島入りすることを決意。

余計な追加費用が決定したので、削れるものは削ろうと新幹線チケットは有楽町のチケット販売店で事前に購入した。往復で1,000円くらいの節約。

泊まったのは「ホテルジーハイブ三島」。ここはかなりおすすめできる。また参加することがあれば、ここに泊まりたいなと思う。
スタッフさんもいい人だし、清潔感もある、何より朝ごはんが美味しい。

金曜日の夜はレース参加っぽい人はいなかったが、土曜日になると続々と”ぽい”人たちが集まり始めていた。

松崎とかに宿を取るのが理想なんだろうが、コストを考えると三島でも別にいいのでは?と思った。観光含みだったり、ガチ勢だったりは松崎がいいんだろうな。

エキスポで受付&色々購入

朝起きて美味しいホテルビュッフェを腹一杯食べて、エキスポへGO。

まだ空いているエキスポ

推奨品とされていたカトラリーだが、実際のところは「ほぼ必携品」になっている。持ってないとエイドでうどんや豚汁を食すことができない。ブースに出店していたさかいやスポーツさんで購入した。思わぬ出費。いてて。

セールになっているシューズを買おうかと思ったけど、年末年始の出費に加えて今これ買ったらきっつくなるな〜と思って断念。買っておけばよかった。

ソラシドエアのブースでスープをもらいながら、九州のレースについて話す。来年は、ASOボルケーノか霧えびにチャレンジしたいなあ。

美味しいあごだしスープ

夜ご飯を食べて早めの就寝

ホテルに戻り、何本かオンライン会議を終えて、ちょっと作業。

目標タイムをどうしようかなーと悩み、「A:10時間切り」「B:10.5時間切り」「C:11時間切り」とした。その3パターンの想定タイムをスマホの待ち受け画面に設定し、準備完了。

夜ご飯はホテルすぐのインドカレーにしようと思ったのだが、米の気分だったので、エキスポ近くの中華料理屋にした。モバイルオーダーがやばいらしく、提供まで30分くらいかかると言われて、のんびり待つ。うまい。

うまい、1200円なり

ホテルすぐのセブンイレブンで朝ごはんを購入して、19時ごろには就寝。
シャワーブースも空いてるし、やっぱりこのホテルいいな。

レース当日〜スタート

バスはとても快適

バタバタするのが嫌だったので、深夜1時ごろに起床。しっかり6時間睡眠。いつでもある程度寝れるっていうのは強みかもしれない。

バスの時間は深夜3時なので、朝ごはん食べたり、ゆっくり準備して過ごす。全然トイレに行きたくならずに焦る。結局そのままバスの時間を迎える。

バスはエキスポ前から出発。めっちゃ並ぶのかな?と思ったけど、非常にスムーズだった。スタッフの方に感謝。バスは出発後に電気が消えるので、うとうとしていたら、いつのまにか到着。ターミナルから5分くらい歩く。

お巡りさんありがとうございます

トイレ待ちの列

到着したのは4時30分〜5時前とかだったと記憶。当日受け取りのお弁当を食べている人もいたが、この時間から食べるとお腹痛くならんのかなと思った。テーピングを貼ったり、預け入れ荷物の準備をする。

ちなみに今年は例年に比べてかなり暖かったので、ショーツでスタートまで耐えることができた。寒かったらしんどいだろうなと思った。

トイレの列は結構長くなっているが、そこまで待つことなく完了。準備万端。女性専用のトイレを急遽準備していたりして、運営側の手際の良さが目立った。

6時ちょい前でもすごい列

Aスタートだったので、集団に並んで待つ。チームに入っている人たちはみんなで写真を撮ったりしていて、非常に楽しそう。私はぼっちなので、淡々と待つのみ。6時を迎えて、いよいよスタート。

前の方にはエリート選手たちが

スタート〜ゴール

A1こがね橋エイドまで(スタートから26k)

スタート直後にかなりの人が飛び出していった。めちゃくちゃ早いなーと思いつつ、自分のペースを維持しようと思って淡々とロードを走る。

疾走感ある写真

会話している2人に混ぜてもらい、3人で走る。色々会話をしていると20kくらいがアッという間に経過した。このお二人もそれぞれ「マラソンほぼサブ3」「信越走ってる」といったように強強ランナーだった。思えば、この辺りから自分にとってすでにオーバーペースだったのかもしれない。

先日のグループランでご一緒させてもらった方から「覚えてますか?」と声をかけてもらってとても嬉しかった。去年も出場しているらしいので、このペースはどんなものなのか色々教えてもらう。その方は颯爽と消えていった。かっこええ。

林道をしばらく走り、こがね橋エイドに到着。9時ごろの到着なので、予定通り。ご一緒したお二人はトイレに行くというので、先に行かせてもらう。コーラ、バナナ、柏餅を食べてスタート。

こがね橋エイド

A2仁科峠まで:A1から14.2k

長かった。長かった&楽しかった。走れる(走らされる)シングルトラックが続く。早い集団に混ぜてもらい、気持ちよく走っていたが、途中で抜けることができず、自分にとってはオーバーペースだったんだろうなと反省。

途中で稜線?に出ると景色が一気に変わる。想像通り、いや想像以上の絶景。疲れも忘れて走る。木段の登りと下りが結構ハード。

TheITJといったコース
そうそう、この写真よ

至る所で応援してくださる方達がいて、感謝しかない。自分も追い越すときは「ファイト〜」と声掛けをするようにしているが、仮に自己満だとしても何人かがそれで頑張れたら全然いいなと思った。

途中の登りで序盤にご一緒した1人に追いつかれて、抜かれる。「やっほ〜おいついたよ〜」という爽やかさを羨ましく思いながら、自分は自分のペースで頑張るしかないと、黙々と登る。

28kの選手たちがスタートする声が聞こえてきて、徐々にエイドへ近づいていることを知る。何人かでパックになってエイドに到着。確か到着は11時30分くらい。いいペース。

先ほど抜かれた方に追いついて、ちょっと会話。こういったやりとりがレースの醍醐味だったりする。数時間前まで知らない人だったのに面白い。

このエイドでは、コーラ×2、うどん×2、俺は×2(補給食として)をいただく。飲み物を飲み過ぎてお腹がタプタプになってしまった。

足の擦れが気になったので、靴下を脱いでケア。意外と時間がかかったが、後半苦しまなかったのでナイス判断だと思う。

滞在は10分くらいかな?次のエイドに向けてスタート。

うどんがうまい

A3土肥駐車場まで:A2から11k

徐々に走れなくなる。コースの見晴らしがいいので、先まで見渡すことができる。あそこまで頑張ろうの繰り返しでなんとか耐える。

早くエイドこないかな〜と思うが、なかなか来ない。船原峠で「あと2kくらいだよ」とスタッフの方に言われて、プチ絶望。

このあたりから28kの選手たちと並走することになる。かなり辛そうな方たちもいて、お互いに励まし合いながら走る形になった。

綺麗な稜線はやはり走りたくなる。辛いんだけど走れる。というか歩きたくないという意思が出てくる。自分との戦い。

最高の景色、遥か前方の選手も見える

想定よりペースが遅れてきてしまい、Aプランの10時間切りは難しいかもと思い始めるが、まだまだ諦めることができない。

エイドまでは最後ロードの登りがしばらく続く。走れる選手、歩く選手。自分は走り2、歩き8といった感じ。なんとかエイドに到着する。13時45分ごろ。想定より15分遅れである。

ここのエイドはメダリスト顆粒が準備されていて、フラスクの片方をメダリストにする。ドーナツとコーラ、ミルクティー、豚汁を食べる。

座っていたらぼーっとしてしまい、やばいやばいと立ち上がってスタート。泣いても笑ってもゴールまであと17kくらい。楽しもうと思う。

徐々に座り込む選手が増える

ゴールまで:A3から17.9k

正直あまり記憶がない。達磨山の入り口で渋い音楽をかけてくれていたことを覚えている。

メダリスト顆粒が効いてきたのか、少し元気が出てきて、登りも少し早く歩けるようになる。木段もいい感じのスピードで下ることができ、ふと「これなら10時間ギリいけるのでは?」と甘い考えが生まれる。

残り10kくらいの地点でA1エイドぶりにご一緒した人と再会する。体調が悪いようで、一回休んでからスタートすると言われ、先に行かせてもらう。この時点で時刻は15時手前くらい。行けるところまで行くかと思い、下り基調をキロ5切るペースくらいで飛ばしていく。

スタッフさんの「ここからロードへは下り基調だよー!」の声を信じて突き進む。同じく10時間切りを目指しているのか、かっ飛ばす選手が多い。早い人には先に行ってもらい、あくまでも自分のペースを守る。

レストハウスからはロードだと勝手に思い込んでしまっており、そこからトレイル&林道に突入したときに、やべえなと思った。これは完全にコースを調べてなかったミス。しかも、最後ロードでしばらく登り基調になるのだ。手元のカロスでは、キロ6でいけばなんとか間に合うか間に合わないかのペース。

うだうだ歩いてると、若い男性の選手が話しかけてくれた。その方は途中途中で私の前を走ってくれており、脚を気にした走りをしていたので大丈夫かなと気になっていた選手だった。きついですね〜という話をしながら、徐々に走り始める、「行ってみますわ!」とその選手はガッツで登っていくが、付いていくことはできず、頑張ってくれ〜とエールを送った。

その直後に林道を下っていると左膝にツーンという痛みがあり、走れなくなった。これまで膝の痛みを経験したことなかったので、焦った。歩くことが精一杯で、なんとかゴールを目指す。数十人の選手に抜かれていくが、仕方ない。思ったようにはいかないのが、ジャーニーなのかもな。なんて、かっこいいことを考えて、自分を納得させていた。

ロードに出たあたりから走れるようになったので、ゆるゆる走って残り2kくらいの道のりを進む。修善寺温泉にいる観光客の方や旅館の方が応援してくれて、涙が出そうになった。どちらかといえば、邪魔な存在だろうに応援の声をかけてくれるなんて嬉しい限り。ITJが10年間で培った信頼の証なのだろう。

そのまま無事にゴール。記録は10時間13分。惜しいけど、出し切ったからOK。また来年?リベンジしようと思う。何より素晴らしいレースで満喫できて最高だった。

ちょっと目標オーバー、リベンジを誓う

ゴール〜帰路

ゴールしたらちょうど表彰式が始まっていた。それ故に、youtubeLIVEでもゴールシーンの確認ができず。まあそういうところも自分らしくてよい。

荷物を受け取りに行こうと歩いていると、前から見覚えがある選手が歩いてくる。なんと最後一緒に走った好青年だった。「僕(10時間ギリ)いけました!」と言ってもらい、硬い握手をした。すごい。本当にすごい。

あーあそこからプッシュできたらいけたのか、、と思う悔しさもあるけど、シンプルにいけるか分からないのに足攣りに苦戦しながらプッシュした彼が素晴らしすぎて、とても感動した。

荷物受け取りの段差がかなり高く、更衣室も2階で、少し笑った。

荷物の整理をしていると、会話はしてないが、ずっと抜きつ抜かれつだった選手とすれ違う。お互い認識していたようで、「あ、おつかれさまでした」という簡単な会話をした。とても平和だ。

スター選手たちの写真を撮り、温泉へ向かう。少し歩くと公営?の「筥湯」という温泉があるらしく、向かうが結構遠い。そして多分混んでいる。安さ(350円)は魅力的だが、結局会場すぐそばの「ホテル滝亭」にした。タオル持参なら750円。大浴場も広いので、ITJ帰りの人ばっかりだったが、よほどのピークタイムでなければ、待ちはないと思われる。少しお湯がぬるめ。

スター選手たち

温泉でも「どうでした?」というトークが自然と生まれる。本当に全国からランナーが集まっていて驚いた。これから群馬へ車で帰る人もいた。

ホテルで荷物を整理して会場へ戻る。時間があれば、ゴールする選手を応援しようと思ったのだが、ちょうど修善寺駅行きのバスが到着しそうだったので、その列に並び会場を後にした。

盛り上がっているゴール地点

修善寺駅から三島駅に向かう電車は交通系ICは使えないので要注意。車内でおじさんに「今日なんかあったの?トレイルジャーニー?」と聞かれて、一般の方にまで認知されてるんだなと少し驚いた。

そのまま三島から新幹線に乗り込む。余韻に浸りながら超贅沢な旅は終わった。

余談

新幹線の中でインスタをいじりながら、何気なくITJのハッシュタグを見ていると、なんと途中体調不良になってしまった方の投稿を発見して、思わずコメントした。どうやらあの後復活して、ゴールされたようだった。しかも私の10分後くらいに。ゴールで会えたらよかったなあと思うが、この切なさもなんかよい。

反省点

・テーピングの技術を学ばないといざという時に対処できない。
・補給食はもう少し色々試したい。羊羹結局甘くて食べられない。
・ジャグの水が少し苦手なので、メダリスト顆粒で誤魔化すと一石二鳥。
・痛み止めのロキソニンは常にファーストエイドキットに入れておく。
・足の擦れ防止は丁寧にやる。長い距離だと結構擦れが出る。
・ちゃんと自分のペース配分を意識する。気持ちよくなって飛ばさない。
・諦めないでプッシュすればよかった。(怪我しない範囲で)
・筋トレが必要。疲れよりも肉体のダメージが大きい。

感想

シンプルに最高だった。スタッフの方、ボランティアの方、応援してくれた方、参加された選手、関わった皆様に感謝したい。

これまで50kのショートまでしか経験がなかったが、ミドルレースはまた別の楽しさがあることを知った。(ロングに比べれば少ないのだろうが)色々なことが起こるし、何より時間も長い。考える時間が多分にある。選手たちの一体感もとても良かった。

それぞれのストーリーがあって、早い遅いではなく、70kを走り切ることを目標にしている感じがいいなと思った。来年は100kに挑戦してみたい。

レースの翌日からはいつも通り、仕事やら何やらでバタバタ過ごしているが、「あの10時間はめちゃくちゃ贅沢な時間だったなあ」と痛感している。

悩んでいる方は絶対出た方がいい、間違いない。

戻りたいなあ



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