米国

【4/6】実は今年は利上げしない?110円を割れる

3月15─16日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されました。

その内容からドル売りがさらに加速し、ついに110円を割れました。


■4月利上げの是非

議事要旨によると参加者のうち数人は、米経済に対するリスクが高まる中で4月に利上げを行なえば「適切とは思えない緊急性を示唆することになる」との認識を示しました。

しかし一方「他方、ほかの参加者の何人かは、次回会合で目標範囲を引き上げることが適切だとの見方を示した」ともしています。

つまりFOMC参加者の中でも意見が分かれていたことが示されました。

意見は分かれてはいますがイエレン議長の発言からして世界情勢を慎重に捉えていることから4月に利上げする可能性は非常に少ないと思います。


■今年は利上げしないという見解が浮上

3月の議事要旨によると「多くの参加者が世界的な経済、金融情勢が引き続き下向きリスクとなっている」とし、参加者が経済見通しに関する慎重な見方で一致したことを示しました。

今年2回の利上げを見込んでいることが示唆されたが、その時期は定まっておらず、3月の議事要旨でもそれを予想できる内容はありませんでした。

そのため、投資家の間では「実は今年は一度も利上げしないのではないか」という見解が浮上しています。

これによりドル売りが加速し、円も110円を割れたのです。


■焦点は中国経済と原油価格

利上げがなされるかどうかは昨年から苦しめられてきた中国経済と原油価格の動向にかかっています。

中国経済は3月の製造業PMIでは景気の良し悪しを見極める基準である50を9カ月ぶりに上回ったことから好転してきているのではないかと期待されています。

また、原油についても米エネルギー情報局(EIA)が発表した石油在庫統計で在庫を大幅に取り崩したことが判明しました。

原油についてはこれまで好感と失望を繰り返してきましたのでまだ予断を許されませんが、産油国の増産凍結が進んでいることから今後好転していくでしょう。

為替の動向は中国経済と原油価格に翻弄されることになりますね。

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