米中首脳会談の実現。世界は金融緩和に向かうか

遂に首脳会談が実現。

トランプ米大統領は18日、中国の習近平国家主席と電話会談を行ったことを明らかにし、米中首脳会談を今月末に大阪で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて実施すると述べた。首脳会談に先立ち両国は通商問題を巡る事前協議を開始する。

米中首脳会談の実現

トランプ大統領はこれまでに、対中関税を「少なくとも」さらに3000億ドル分上乗せする可能性があるとし、G20首脳会議後に決定すると表明。G20開催中に米中首脳会談が実現することで、追加関税措置の発動の公算は小さくなった。
トランプ大統領は「習主席と非常に良い電話会談を行った。来週に日本で開催されるG20首脳会議の際に引き続き会談を行う。これに先立ち、われわれの代表団は(通商問題を巡る)事前協議を実施する」とツイッターに投稿した。

中国の国営中央テレビ(CCTV)もこの日、中国の習近平国家主席がトランプ米大統領と電話会談を行ったと報道。電話会談で習主席は首脳会談の実施に合意した上で、経済、通商上の問題は対話を通して解決する必要があるとの姿勢を強調したと報じた。

ECBは追加緩和に積極的に

一方、欧州でも経済是正対策に出始めた。

ドラギECB総裁はポルトガルのシントラで開催されたECBの年次会議で「改善がなく、インフレ率が持続的に目標に戻る動きが脅かされれば、追加的な刺激が必要になる」と発言。追加の資産買い入れについて、依然として「かなりの余地」があるとし、「政策金利の一段の引き下げと副作用抑制措置は、依然としてわれわれのツールの一部だ」と述べた。

総裁の発言が予想外にハト派的と受け止められたことを受け、ユーロが対ドルで0.25%下落したほか、債券利回りは一段と低下した。

米国は利下げするか

米連邦準備理事会(FRB)はこの日から2日間の日程で開いている連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの見方が大勢となっているが、年内の利下げに向けた地ならしを進めるとの見方が出ている。

ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツの首席市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「明日のFOMC声明発表を控え、様子見姿勢が強まっている」と指摘。「声明はハト派的になると予想している」とし、「環境は悪化しているという認識が示される公算は大きい」と述べた。ただ「現時点では利下げは視野にない」と話した。

総括

貿易戦争は、最悪の自体である首脳会談すら開かれない状況は回避できた。

会談の結果、交渉決裂となり更なる追加関税の可能性はあるが、おそらくポジティブな方向に進展するだろう。

一方、先進国の経済状況は芳しくなく、世界的に金融緩和政策を打ち出してきた。

ECB、FRBともに利下げ、緩和に積極的な発言を出してきている。

本日19日にはFOMC後のパウエル議長の発言があり、米国の利下げについて言及される。
市場は利下げすることを折り込み済みで、ハト派的な発言の有無と、時期と回数がどのようになるかで反応が変わってくるだろう。

足元の経済基盤は崩れているが、相反して株価は期待だけで上昇している。
世界の各要人の発言で、市場は一喜一憂する展開が多くなるでしょう。

こんななか、日本は本当に消費税を増税するのだろうか。

出典

ロイター 6/19 米中首脳会談、G20で実施 通商巡る事前協議開始=米大統領

ロイター 6/19 ECB総裁、物価低迷なら再び緩和 米大統領「不公平」と反発

ロイター 6/19 FOMC控えドル小動き、ユーロはドラギ発言で下落=NY市場

ロイター 6/19 S&P総合が最高値に迫る、米中通商協議に期待