Jリーグ改革案⑤~サポーターの問題行動と排除~

2023年に、Jリーグは30周年を迎えた。
だが、そんな年でありながら、インターネットで話題になりやすいのは、サポーターの不祥事や、専用スタジアム建設によるJリーグと自治体の衝突といった悪いニュースが多く見える。

この30周年という節目を期に、Jリーグそのものの在り方を変えてもいいのではないかと思っている。

※私自身は、プロスポーツ観戦をしたことが無く、ニュースや他のサイト等で興味本位で見たり、リーグ構造を調べたりする程度である。
そんな素人の意見の為、あまり鵜呑みにはせず読んでいただければと思う。

今回は、Jリーグのサポーターの引き起こす問題行動と、それらを締め出す方法について、自分なりに考えた。




サポーターの起こす問題行動

サッカーファンの中には、熱狂するあまり過激な行動を起こす連中がいる。
それがフーリガンである。

彼らは「試合に負けたから」などという理由で、破壊行動を引き起こす暴徒となり果てる。
当然ながら、ヨーロッパでも問題視されている。

日本にそういった集団はいないと思いきや、暴徒一歩手前の過激な行動を起こしたり、マナーを故意に違反したりするような連中がいる。
一歩間違えれば、フーリガンの仲間入りだ。
スタジアム側も、リスクヘッジとして緩衝帯を設けるなどしている。

では、彼らはどんな問題行動を引き起こしているのか?


選手や監督に説教

最も多いのはこの説教だろう。
試合に負ければ、一部のサポーターは例えアウェイ側であろうと居残って、選手や監督を呼び出し、説教を行う。

しかし、説教といっても、実態はクレームのようなものだ。
サポーターが戦術に口を出せるほど知識があるかといえば、必ずしもそうではないだろうし、選手のプレーに口を出せるほど偉い存在ではない。

いくら応援でチームとの一体感を持ったとしても、選手らとは明確な線引きがあるということを理解する必要がある。


威嚇・暴力行為、立入禁止エリア侵入

試合に負け、あるいは引き分けになってしまった腹いせとして、相手に罵声を浴びせたり、暴力行為に走るサポーターが時折出てくる。
被害を被るのは、主に相手サポーターや警備員。
時には、スタジアムの備品や横断幕といったものを破壊することもあるようだ。

また、相手サポーターへの暴力行為に付随して、立入禁止エリアに入ってしまうことがある。
スタジアムによってその場所はまちまちだが、サポーターはフィールドに入ることができないのは共通している。

しかし、あくまで試合をしているのはそのチームの選手で、サポーターは応援こそすれど、直接勝利に関与しているわけではない。
いくら応援でチームとの一体感を持ったとしても、勝ったうえで煽ったり、負けたからといって暴力に訴えたりしてはいけない。
立入禁止エリアの侵入など以ての外である。

また、相手チームのバスを集団で囲んで出発を妨害するものもあるが、こちらは場合によっては刑事罰に問われることもある(威力業務妨害罪、監禁罪など)。


過激的・差別的な応援や横断幕

サポーターの横断幕の中には、相手チームを煽るものや、自チームに対しての怒りが込められたものがある。
これにより、そのチームを応援しているサポーターの性質を窺い知ることができる。

勝ち負けの如何に関わらず、相手チームを過度に煽るような応援を行ったり、自チームへの不満を書き連ねた横断幕を掲げるようなことがあれば、普通に応援している方々からすれば、あまり気分の良いものではない
(勿論、サポーターとともに煽っている可能性は否定できないが)。

また、人種差別と捉えられるような横断幕を掲げた事例がある。
それが、2014年の浦和レッズサポーターの起こしたものだ。

なお、リーグ側やチーム側は、人種差別の撤廃を表明しているが、現在でもSNS等で特定の選手に対する差別投稿等が問題になっているようで、当のサポーターがこのような意識では決して無くなることはないだろう。



迷惑サポーターを締め出す手段

説教に威嚇・暴力、不法侵入に差別……。
紹介こそしていないが、発煙筒の使用指定席の占領といった問題行動も発生している。

そもそも、彼らサポーターは何故、選手や監督を呼びつけて説教という名のクレームを行うのか?
何故、横断幕で審判や自分の監督を批判することになるのか?
負けたからと言って、暴力に頼ろうとするのは論外だ。

一部のサポーターがいうように
「欧州サッカーではこれぐらい普通」なのだろう。
確かに欧州サッカーの影響力は大きいが、過激な横断幕やフーリガンといった、悪しき文化まで持ち込んでくる必要はない。

当然、チーム側も無対策というわけではなく、問題行動を起こしたサポーターに対して、無期限ないしは何試合かの入場禁止処分を下しているようだが、実際のところ効果はあまり見られない。
永久入場禁止にするチームも増えてきているようだが、来場を防ぐための対応方法をどうするのかは不透明だ。

新規顧客を生み出すためには、迷惑行動を起こす連中を排除し、誰もが安心して試合を観戦できる環境を作り上げる必要がある。
勿論、その為の手段も考えなければいけない。


顔認証システムを導入する

一番現実的な方法といえるのは、顔認証システムを導入したうえで、入場の可否を判断することだろう。
シーズンチケット購入者も含め、認証を行った後、過去に迷惑行為を行った人物でないか調べて、問題なければようやく入場できるといったプロセスを構築しておく。

これで迷惑サポーターを100%締め出せるわけではないが、効果は見込めるだろう。
勿論、これ以外にも他の方法を併用することで、さらに効果が高まっていくというものだ。

デメリットとしては、

  • 製品によって認証の精度に差がある

  • 適切に保管しなければ情報漏洩のリスクがある

  • 顔は個人情報として扱われるため、プライバシーには配慮する必要がある

といったところだろう。


チーム・リーグ側がサポーターを許可・公認制にする

過去に迷惑行為を行ったことがないか、チームやリーグの審査を受けて、問題がなければ公認のサポーターとして活動する方法である。
どのようなサポーターが違反を起こしたか、リーグやチームが個人情報を有しているならば、ある程度選別は可能だ。

もし、公認を受けたサポーターが問題行動を起こした場合、サポーターとしての資格剥奪・今後一切の入場禁止というようなルールを設ける必要がある。

上述の顔認証とともに併用することで、効果はさらに期待できるものとなるだろう。


一部席のチケット単価そのものを高くする

熱狂的なサポーターらが居座るゴール裏だが、単価としては一番安い。
チームによって料金はまちまちだが、ここが最安なのは共通といえる。
この料金を高くさせ、顧客を厳選するという方法だ。

単価を高くすればその分収益上昇も見込めるが、迷惑サポーターの締め出しとしてはオススメできない。
善良なファンも離れてしまう上に、迷惑サポーターらは別の安い席を見つけてそこに陣取る可能性が高いからだ。

事実、チケット単価高騰が続いている欧州サッカーでも、フーリガンの抑制には至っていないので、ほとんど意味がない。


安心して試合を観戦できる環境を作るためには

海外では、フーリガンによる暴動によって、多数の死者が出た事例が存在する。

Jリーグでは、まだ死者は出ていないようだが、だからと言って安心できる環境ではない。

現在、サポーターではない一般の観客がスタジアムで安心して試合を観戦する為には、ゴール裏以外のチケットを購入するといった方法ぐらいしか無い。
しかし、それも指定席占領という事例が出てきてしまった所為で、完全に安全とはいえない。
いっそのこと、家で観戦していた方が精神衛生上楽かもしれない。

もし、この状況が続けば、一般の観客は離れていき、残るのは何年も前から見続けていたサポーターのみの閉鎖的なコンテンツとなる。
上述した"JAPANESE ONLY"という横断幕も、
「ゴール裏は自分たちの聖地であり、部外者に入ってきてほしくなかった」
といった理由で掲げたものであり、サポーターの保守的・排他的な思考は醸成されてしまっている。

真に安心して試合を観戦できる環境を作り出す為には、迷惑行動を起こすサポーターを締め出した上で、サポーター全員が新規を受け入れるような意識を持たなければいけないだろう。


次回は、Jリーグが抱えているその他の細かな問題について考えていこうと思う。

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