2, 英国デパートのリストラ
店舗が再び開店して早5週間。最初の長期ロックダウン後と全くおなじ現象が起きた。前回同様ロックダウン中には売れなかったナンバー1の売れ筋商品の売上が回復して来たのである。人というものはWebだと時間を掛けて調べてから買うらしいが、店舗だと、目に見えるものを手短に買う、という習性があるらしい。お店に行くと一番目につくのがエジプト綿200スレッドカウントだからね。
ここで一応説明しておくとスレッドカウントというのはどれだけ糸が詰まって織られているかという目安。数字が大きいほどお値段が張る。糸がちょっと渡るサテン織りなどはこれが少なくとも400ぐらいないと布が弱くて比較的すぐに擦り切れてしまう。日本だと番手とかいわれるのかしら。でも、麻とかシルクには別の表記があって一緒にはカウント出来ない。ふつう200ぐらいのベッドリネンが売れ筋商品。高すぎもなく、同時に綿100%で手頃。うちの会社では1600まである(そういうのは大金持ちが買って行く、普通の人はベッドシーツに3万円とか使わない)。
さてタイトルにあるリストラ。
コロナ疫もあり沢山のいわゆるデパートが潰れたり買われたりして全英チェーンで残ってるのはうちぐらい。Primarkとかはデパートとは呼びにくい(たぶんもうちょっと衣料スーパーに近い)。
うちの会社も残念ながらリストラの嵐。
本社の3分の一を削減するという見出しで行われているリストラ。最初は自主退職から、その後は選択。私の仕事は誰もが嫌がる数字系の仕事(イギリス人は数字が苦手な人が多い)なのに加えて給料が低いのでかなり沢山の人が自主退職して、リストラ結局なし。あほらし。なんだったんだよあのパニックは。
しかしバイヤー側の(買い付けする人、華やかなかっこいいはずのバイヤー)削減は私の仕事より多く、アドミンレベルでも知っている人で二人しごとにありつけなかったひとがでた。残念ながら彼らの新しい仕事は今よりもっとデータアドミン系の仕事が多いのでコンピューター扱いが下手な人は多分仕事が出来ない。バイヤーの華やかな仕事とは程遠くなるので、別の会社に行った方がいいんじゃないの?とは内心思ってるんだが、バイヤーの仕事はどこの会社でも削減の方向なのでどこでも難しい。
さらに私の上のレベルの削減はもっと酷いはずなので今週結果が出て一体どうなるのか興味深い。
私のマネジャーは計算が上手く出来ないのにマネジャーになった人なのでできたら別の部署に行って欲しいなあと内心思っている。
どこの国でも同じなのだが自己アピールがうまい人は仕事が出来ないのを隠すのが上手いので出世し易い。あんまり細かい事は言わないのでやりやすいと言えばいいのだが、売上予測とかを間違えるので迷惑でもある。私は独自に売上分析をしているので上司が間違ってそうだと適当に修正して注文を入れているので(見つからなそうな時は)、なんとか難を逃れている。見つかりそうな時ははっきり私の意見を言ってそれでも通らない時は言った事を証拠に残しなにかあったら責任逃れができるようにしておく。残念ながら大企業で働くにはこの責任逃れができるようにしておくのは重要なスキルなのである。