㉒マガジン原作大賞に向けて、第一話を分析してみた ~テニスの王子さま~
あらすじ
竜崎桜乃(12)は困っていた。
電車のなかで高校生がラケットを振り回している。
誰に向かってか、グリップの握り方講座をしているのだ。
そんな高校生に間違いを指摘する少年がいた。
駅を降りると、桜乃は少年にテニス会場の道を聞かれる。
桜乃は間違った方向を教えてしまう。
少年のラケットバッグには「リョーマ」の名前があった。
30分後、間違いに気がついた桜乃は会場周辺を探す。
そこにはラケットバッグを枕に寝転ぶリョーマがいた。
そんなリョーマに電車にいた高校生が絡む。
高校生はラケットを振りかぶり、リョーマの前で寸止めをする。
そんな高校生にリョーマはクールに返す。
「グリップは覚えたの?」「なんなら・・・」
「アンタにテニスを教えてやるよ!!」。
こうして2人のテニス対決が始まる。
高校生の全力のサーブをリョーマはあっさり返球。
それどころか、サービスエースを決めて返す。
リョーマに苦戦する高校生は自分の得意なネットプレーに持っていくため、コート奥のへの返球はすべてアウトと言い張る。
リョーマの返球が前になったことで、ネットプレイにこぎつけたと安心する高校生。
その瞬間、リョーマはコート奥へ返球。
着地ポイントでボールを止める超絶技巧を見せる。
リョーマに弄ばれる高校生は
「くたばれ!!!」と言いながら事故を装い、
ラケットをリョーマに向かって投げつける。
顔面にラケットを受けたリョーマは静かな怒りを燃やす。
「グリップの握りが甘い・・・」「まだまだだね」。
卑怯な高校生に対してリョーマはツイストサーブという超絶技巧で、
バウンド後のボールの軌道をコントロールし、相手に直撃させる。
ぼこぼこにされた高校生は敗けを認めずに、
なぜか、もう1セットやると言い出す。
リョーマは左手にラケットを持ち変え、強力なサーブを決める。
今までの戦いはすべて、利き腕とは逆で行われていたのだった!
コートの無断使用を発見され、そこで試合は終わる。
数週間後、桜乃の中学の入学式。桜の木に寄りかかり居眠りをするリョーマの姿があった。
パンチライン
新境地テニス漫画
構成
第1幕:P03~21 試合失格 テニス対決
第2幕:P22~43 実力差と卑怯な手段 超絶技巧
:P44~54 直接手段 超絶技巧
第3幕:P55~59 まだ本気じゃない
注目点
漫画で初めて「楽しい」と思いました。
第1話にして、テニスに似ているがテニスでないもの『テニヌ』の片鱗を見れて幸せです。
この世界でモブになりたい。
注目ポイントは2点
①お決まりを使う
②世界観
①お決まりを使う
→ 安心できる分かりやすさ
お決まり。
それは、主人公がやたらカッコよく見える進行パターン。
第1話のお決まり部分を追ってみます。
1:相手の全力を受けた直後に「今の本気?」
2:相手の得意分野で勝つ
3:サブキャラが強さを解説
4:相手の卑怯な行動に付き合う
5:超絶技巧で黙らせる
6:試合中の暴力にも冷静に対応
7:ルールに乗っ取って物理的・精神的に痛め付ける
8:最後は紳士的に
9:まだ本気を出していない
こんなに詰め込まれたらもう、
笑うしかない。
にじみ出す強さの過剰な描写によって
読者の何か(常識)が完全に破壊され
微笑みながら見守ることしかできない。
②世界観
→ みんなの知らない楽しさ
空は、本当に青いですか?
太陽は本当に赤いですか?
青々とした草木は、本当に青いんですか?
見ているものは同じでも、
見え方はおそらく違います。
自分の見ている世界は
自分だけのものです。 たぶん。
世界観って、そういうことだと思っています。
自分には見えている
おもしろい世界を表現する。
それが みんなの知らない面白さ であり
読者が求めるものの1つなのだと思います。
だから、テニヌは永遠なんです。
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#週刊少年マガジン原作大賞にむけて、色々な漫画の第1話を分析しました。内容は無料公開している記事と同じです。meshの活動の協力していただ…
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