⑨マガジン原作大賞に向けて、第一話を分析してみた ~青の祓魔師~

あらすじ

「なにやってんだ俺・・・」主人公の奥村燐は、思い通りにならない日々と自分に、どうしようもない焦りを感じていた。修道院の神父の養子だった燐は、養父に料亭の見習いを勧められる。反発しながらも、養父の気持ちを理解していたので、面接に向かうことにする。ネクタイを結べない燐に、養父はからかいながらも励ましの言葉をかける。「ったく図体ばっかデカくなりやがって!」「くやしかったら少しは俺に成長のほどを見せてみろ」。燐は嬉しさを反発心で隠し、面接に向かった。面接に向かう途中、燐は以前ケンカをした不良達に絡まれ、命の危険を感じる。その瞬間、燐の体から青い炎が上がった。それを見た不良達はちりじりになるが、一人だけ、燐の前に膝をつく。「その青い炎は正真正銘”魔神サタンの炎” ずっと若君を探しておりました」。そこに、養父が駆けつけ、不良にとりついた悪魔を祓う。養父は燐を連れて帰ると真実を話し、一振りの刀を渡した。これを持ってココから逃げろと伝える。それを厄介払いと感じた燐は「二度と父親ぶるな」と声をあげる。直後、養父の体にサタンがとりつき、燐を虚無界ゲヘナへ連れていこうとする。燐の抵抗もむなしく、飲み込まれそうになった瞬間、養父は自らの心臓を一突きにしていた。燐は叫びと共に刀を抜き、窮地を脱する。亡き養父を見て、ネクタイを結んで貰ったときを思い出す。「父さん・・・」。
後日、養父の墓を目の前に、養父の友人を名乗る祓魔師エクソシストが現れる。燐はその祓魔師に言う、「仲間にしろ!」「サタンをぶん殴る!!!」。その言動に興味を覚えた祓魔師は燐を仲間に迎えた。「俺はもう人間でも悪魔でもない。・・・だったら」「祓魔師になってやる!!」。

主題

親子の絆

パンチライン

刀と炎で熱いバト

構成

起:P3 ~18 キャラクター紹介
承:P19~42 養父との心の距離 ☆
転:P43~63 サタン登場
結:P64~71 決意

注目点

親子関係という難しい感情を真ん中に持ってきた、なかなかに攻めた作品。
子が親に反発するのは、絶対に許してくれるからだという。
要は「甘え」だ。
その甘えを許して貰っていることに、子は無意識に安心する。
養父は燐のことを気にかけているのはもちろんだ。
だが、養父に反発する燐も、実のところでは養父に感謝し、だからこそ一人前になろうとして。でも、なかなか思い通りにはいかなくて。
表面上はすれ違いながら、でも心の部分では互いを思いやっている。
親と子、両方の気持ちが分かるように構成を組んでいるところに、妙味があるように感じた。
そしてなによりっ!
このスーパーウルトラメガギガ難しい感情を、少年少女に向けて発信する気概っ!
分かりやすく、読みやすく、も大切。
でも「描きたいものを描く」気概や、「自分だけが知っている面白さを伝える」意気込みも大切なのだと感じた。

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#週刊少年マガジン原作大賞にむけて、色々な漫画の第1話を分析しました。漫画原作を初めて書く方や、絵には自信があるけれども、シナリオはちょっと、という方にオススメです。

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