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MESUINU & Company is HERE!

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メス戌&Co.の音楽
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旧世界ザルはこう言いました。

西暦で言うところの22世紀辺りが、宇宙の始まりの方、終わりの方、どちらの方により近いのか。 そんなふうにひと連なりの線のある一点に自らを置いておきたがる。 ともすれば、物語として語りたがる。 こんにちは、mesco iwata というアカウント名でここに文章などを投稿している者です。 mesco とは、メス戌&Co.(Mesinu &Company)の略称で、メス戌&Co.とは、このアカウントのプロフィール欄にもある通り「気が向けば音楽活動をする団体または個人」です。 か

thank you tiger

thank you tiger (2020) 白昼堂々大通りを数頭のトラが歩いて 玄関のドアを叩いたんだ 何て言っていいか分かんないので歌うものの 誰も聴いていなかったんだ 宛先の間違った白い封筒がポストに入っていた 取り出して読んだ ケモノらが運ぶその手紙を声出して読んだ 涙して読んだんだ 何て言っていいか分かんないので歌うものの 誰も聴いていなかったんだ 見当違いの荷物を方々へ届けまくってトラは森へ去っていった ケモノらが運ぶその手紙を声出して読んだ 涙して読んだんだ 雷が遠くでひとつ鳴ったんで声を揺らして名前を呼んでいた

タイムリープかダルセーニョ

タイムリープかダルセーニョ (2020) おはようございます すごく良い天気ですね お弁当を携えて今日はピクニックへ 風景を指で描く 連なる丘の中腹で 夕べ駅で見た巨大な月を思い出していた 丘を登りきると顔を出す電波塔 お弁当を食べましょうよ早い内に ソーセージ卵焼きにほうれん草の白和え 急に夢のよう 今朝見たシーンの続きのよう 触れていたいな 手の甲にキスをしたいな 野山駆け回って 気が付けば元居た場所へ 最初のセンテンスへ タイムリープかダルセーニョ おはようございます 妙な天気ですね 風景を墨で描く 色が消えてしまったんで 夕べからずっと風が凪いでいるようで おはようございます 今日も元気ですね お弁当を携えてピクニック いいですね 夕暮れが来たんだ とうとう今日が暮れていくのか 丘を谷を越えて 気が付けば随分遠くまで 最後のセンテンスへ ダ・カーポは無視して つないでた手のひら汗で滑って お別れのキスを

22世紀

3月下旬あたりから、休日ごとに宅録しています。 こんなに曲を作ったり録ったりに没頭するのは、大学生の頃以来十数年ぶりのことで、曲が出来てはここや Sound Cloud にアップするんですが、大して聴かれることもなく、実際それほど聴いてほしいと強く望むでもなく、何にせよ自然に曲は出来るし、休日に何の予定も入らず作業に没頭できる状況をただただ有意義だなーと思って過ごしてきました。 ところが4月半ばくらいに、自分がこうも曲作りに没頭するのは、どうやら今の世界の状況に対して混乱し

Conversations In Low Resolution

Conversations In Low Resolution (2020) どうも低解像度の映像に退廃を思う ここ最近は大抵そういうモード 外はどういう状況だ? 3PO! このドア開けるコードは? R2! R2-D2 Where are you? 分からないから面白いとも言えるし 共に得るものがあればそれはそれでいいが いかんせん気になる低解像度 Conversation in low resolution. ローカットした声と顔と 圧縮済みの赤と青と緑の光る映像 見覚えないの? 恐るべき精度で距離を縮めるForce Chat どうしちゃったんだ騒がしい未来 思い出の後先じゃない未来は僕らの手の中に 何もないはずがない 全て元どおりのはずもない Conversation in low resolution.

Cycling Waltz

Cycling Waltz (2020) ダブついたチャイムの後 ミと(ラと) ラと(レと) レと(ミと) こだましている 家路につく 焦げ付いた声が窓を叩き 内へ 外へ こだましていく 帰りを待つ そんなアタシのカレ さわやか自転車でやってくる 不安は降る遍く 色も音もなく それでも降る 帰りを待つ あのコとオレは好き同士 かろやか自転車で泳ぐように 泳げ自由に 怖いもんはないぞ アタシのカレは今日も さわやか自転車でやってくる

Season Cycle

Season Cycle (2020) ぱたぱた強い風を巻いて はためく洗濯物が お陽さまの光を浴びて 凍ったように一瞬見えた 知らないふりしていると もう二度と戻らない 木枯らしが呼んでいるよう 染まる雲の方へ カラカラ回り続ける ペットボトル製の風車 翳りゆく街の隅で ただ風の吹くままに 知らないふりしていると もう二度と戻らない 君の心ちっとも 考えもしないまま

WORLD IS NUTS

WORLD IS NUTS (2020) 来週末その樹には実がなるはず そしたら二人で見に行こうかいね

動物たち

動物たち(2020) 公園で生まれ落ちた猫たちが大挙して 街中のカエルやらハトやらを食い尽くした 一方で鳥たちは対抗策を画策して 住民をけしかけてペットショップに追い込んだ お湯を明日の洗濯にまわそう お風呂に毎日入っている僕たち 総攻撃が始まった朝 寒い日で二度寝してしまった 双方譲らない市街戦がもう数ヵ月 最初期は静観していたイタチたちさえも巻き込んで 曖昧に膨れ上がった防衛線を散歩して 住民の何十年変わりなく続く関心事 お湯を明日の洗濯にまわそう お風呂に毎日入っている僕たちは そういうのはあんまし分かんないっていうか どういうの? ま、結局分かんないもんね 性的な妄想に囚われている猿たちは 幻想を紡ぎ出すその能力さえも失って

And she is

And She Is (2020) 金曜日 師走 0:00AM 再会を祝して 慎重に She was 試みていた 感情の交換 そうだ 釈迦如来像の前に立ってみよう 十年強経過 Sci-Fiな未来 停滞 And she is 再会は 今日も 0:00AM With no drags. OK?

A few lines

A few lines(2019) バイバイ 風景と音楽がくっついた世界 幸い関係は良好さ ほっといてくれないか あぁ 懐かしい その呼び名は もう君以外使う奴はいない あぁ 恥ずかしい 穴ありゃ入りたいわ そんなふうにボヤキつつ ずっと バイバイ 感情と音楽がくっついた生活 バイバイ 運命と運命がくっついた未来 バイバイ 安定と不安定がこんがらがった今 だいたいは妄想か構想中のストーリー 今何時だ? もう風呂入って寝よう

五月雨坊主

五月雨坊主(2015) はにかんでるつもりか? 不っ細工やなぁ いや、いい顔だなぁ 愛 随分はっきり言うなぁ 数えてみた もう何遍目か 12121234556565678910 不安積もり積もって不穏 奇っ怪な唄刻むマイクロフォン 五月雨に降られた 托鉢の坊主濡らす三度笠 12121234556565678910

盆栽

盆栽(2017) 見事な枝ぶりだ 盆栽 駅へ向かう途中のお宅の庭先に 盆栽 Born to die, today. 呪文唱え荼毘に付す Born to die ちっちゃな鉢の上に生きる私達は Born on sigh Born to die, today. Today is the day to be born to die.

otegami

otegami (2019) 遠い雪の国のアパートメント 1DKに独りで住んでいて 今日も朝の窓に裏路地を映し見ては方々に手紙を書いていく 遅い目の年賀状を 暑中御見舞を 遠い雪の国のアパートメント 1DKに光泳いでいて バスで町をぐるりと回り部屋に帰ると物語を書き綴っていく サイエンスフィクション ユーモアとアイロニー 遠い雪の国のアパートメント 本棚の隙間で嗅いでいる 褪せた紙と布とインキとニスのにおいで足元から暖まっていく 遠退く記憶と やって来る季節 遠い雪の国のアパートメント 1DKで日々年老いていく 今日は今日でコーヒーの酸味が強すぎる 郵便受け "コトン" 音立てた 「ご機嫌はどうだい?古い友達」